ドクターネット、頭部CT画像解析AIが薬事認証取得、遠隔画像診断支援サービスで提供へ
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ドクターネットは10月7日、医用画像解析AI(人工知能)「頭部CT画像解析AIエンジンDoctorNET Heuron CTS(DoctorNET Heuron CTS)」が、指定管理医療機器の製造販売認証を取得したと発表した。同社では、AIを活用した遠隔画像診断支援サービス「AI-RAD(エイアイ・ラド)」に組み込み、全国の医療機関向けに10月下旬から提供を開始する。


「DoctorNET Heuron CTS 」は、頭部CT((コンピューター断層撮影装置)画像(非造影)の脳関心領域を自動で抽出し、高吸収域と低吸収域を検出する医用画像解析AI。AIが高吸収領域のセグメンテーションと、その体積を計測するほか、あらかじめ定義された10カ所の関心領域をセグメンテーションして、低吸収傾向を示す関心領域の強調と各領域のCT値の計測を行う。
ドクターネットによると、頭部CT画像解析AIは、放射線科医の画像診断を補助する既存の画像診断AIは異なり、特に放射線科医が不在となる夜間や休日の時間帯や、医師の少ない地方医療機関で、救急外来の医師が迅速に頭部CTの画像を診断し意思決定する支援で役立つという。

特に脳卒中は、早期に診断と治療が行われれば、後遺症を残さず社会復帰できる可能性のある疾患だが、救急外来では、医療スタッフが多忙な環境の中で対応しており、診断や対応の遅れが発生する可能性があり、脳卒中の診断に熟練した医師が不在の場合、MRI(磁気共鳴画像装置)の追加撮影や専門医の呼び出しで、判断に時間を要するケースも少なくとしている。
そのため、頭部CT画像解析AIを使って、AIが撮影後に膨大な数の画像を解析し、頭部の関心領域を短時間で抽出・マーキングすることで、当直医が重点的に確認が必要な部位を迅速に把握が可能になり、診断の遅延や見落としのリスクを軽減できるとしている。
はドクターネットのサービスを利用する医療機関は、現在の遠隔画像診断支援システムで使うことができる。一方、新規の医療機関は「AI-RAD」を導入することで利用が可能になる。