イスラエルのMedHub-AI、AI心血管診断ソフトがPMDAの承認取得、テルモが販売へ
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非侵襲性AI駆動型冠動脈生理学的評価ソフトウエアソリューション「AutocathFFR(オートキャスFFR)」
AI(人工知能)を活用した心血管診断のイスラエルMedHub-AI(メドハブエーアイ)は6月18日、非侵襲性AI駆動型冠動脈生理学的評価ソフトウエアソリューション「AutocathFFR(オートキャスFFR)」が、日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)の承認を取得したと発表した。
「AutocathFFR」は、標準的なエックス線冠動脈造影画像から冠血流予備量比(FFR)値を算出する医療機器ソフトウエア(SaMD)。
「FFR」は、冠動脈狭窄(きょうさく)の血流低下の程度を評価するために、冠動脈造影検査で一般的に使用される測定法。従来は血管拡張薬を投与して血管を拡張させ、圧力センサーを搭載したガイドワイヤーを冠動脈に挿入することで血管内圧の変化を測定し、FFR値を算出する。
一方、「AutocathFFR」は、AIで日常的なエックス線画像からFFR値を37秒で自動計算ができる。そのため、これまで必要だった侵襲的なワイヤーや薬剤を使わずに素早く正確な検査結果が得られるとしている。
PMDAでは承認は、米国とイスラエルの6病院で行われた504症例の臨床試験を評価し承認した。試験は、侵襲的FFR測定の結果と「AutocathFFR」の結果を比較し、感度90.2%、特異度94.9%、総合診断精度93.7%と、システムの臨床性能と信頼性を実証した。
メドハブエーアイは、提携をするテルモと共にPMDAの承認作業を進めた。テルモはメドハブエーアイと「AutocathFFR」の日本国内での販売契約を締結し、10月から取り扱いを開始する。今後、2社は協力してソリューションを「AIを活用した臨床ツール」として日本全国に広めていくとしている。