ロシュ、病理診断効率化と遠隔医療支援するホールスライド画像診断補助装置を発売

ベンタナ DP200 Dxシステム」の使用イメージ

スイス製薬会社ロシュの診断薬事業を展開する日本法人のロシュ・ダイアグノスティックス(東京・港)は6月16日、医師が診断補助に使用できる病理ホールスライド画像診断補助装置「ベンタナ DP200 Dxシステム」を発売すると発表した。

「ベンタナ DP200 Dxシステム」(左から「ベンタナ DP200」「uPath SW」)
「ベンタナ DP200 Dxシステム」(左から「ベンタナ DP200」「uPath SW」)

「ベンタナ DP200 Dxシステム」は、スキャナー「ベンタナ DP200」、画像管理ソフト「uPath SW」、「スライドトレー」で構成するシステム。スキャナーでガラス標本からデジタル画像を生成し、生成したデジタル画像を病理医が評価や診断時の補助に利用できる。

生成したデジタル画像はデジタルマッペ(デジタル化したスライドガラスの一覧表示)で管理が可能。また、モニター上で組織の細部をより詳細に確認するためにデジタル画像を拡大したり、同一画面で複数のガラス標本のデジタル画像を比較したりできる。システムは管理医療機器(クラスII)の製造販売承認を6月5日に取得した。

ロシュによると、国内で高齢化によるがんの罹患(りかん)者数が増加傾向にあり、病理医が大幅に不足しているという深刻な状況にあるという。また、病理医が不在の病院も全国に多数あり、非常勤の病理医が来院し直接顕微鏡で標本を診断することや、作製したガラス標本を郵送し病理診断を行っているとしている。

同社では、こういた中、病理医の業務負担や診断報告までの時間の改善で、デジタル技術でスムーズな画像の閲覧や病理支援システムとの連携を行い、遠隔医療で役立てる「デジタルパソロジー」が注目されており、臨床現場での推進を目指し、システムを開発したとしている。