エルピクセル、胸部CT画像から肺がん疑われる「肺結節」検出する診断支援ソフトの販売開始
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「EIRLChest CT」の解析画像(左)
エルピクセル(東京・千代田区)は4月7日、胸部CT(コンピューター断層撮影装置)画像から肺がんが疑われる「肺結節」の候補域を検出する診断支援ソフトウエア「EIRL Chest CT(エイル・チェスト・シーティー)」が、医薬品医療機器等法に基づいた医療機器製造販売承認を取得し、販売を開始したと発表した。

「肺結節」は、X線、CT画像で肺に映る丸い影で肺がんの可能性があるとされる。「EIRL Chest CT」は、胸部CT画像で、肺野内に位置し、「充実型(3mm以上30mm以下)」「部分充実型(5mm以上30mm以下)」「すりガラス型(5mm以上30mm以下)」のサイズを満たす「肺結節」の候補領域を検出し、領域を縁取りして示すことで、医師の読影を支援するソフト。体積、最大径、「最大」「最小」「平均値」「標準偏差」のCT値も自動計測する。通常のCT検査よりも照射線量を低減させて撮影する「低線量CT」にも対応する。

エルピクセルが行った読影試験では、専門医、非専門医ともに、医師単独に比べソフトを併用して読影した場合に感度(対象疾患・所見を検出する能力)の向上が認められました。全体では、9.1ポイント、非専門医では12.5ポイントの向上を確かめた。
エルピクセルによれば、肺がんが疑われる「肺結節」を早期に発見する目的で、胸部X線検査やCT検査が一般的に実施されている一方、日本CT検診学会が「読影の留意点」で、肺がん(肺結節)について「10 mm を超えても見落とす事あり」と指摘するなど、胸部CT検査は常に高い精度が求められているという。
しかし、医師の業務切迫などで1症例にかけられる読影時間に限度があることに加え、人間ドック学会の調査では、見落としや誤診を防ぐための「二重読影」を実施していない医療施設は3割以上に上るという。そこで、同社では、肺がんの早期発見を包括的にサポートする「EIRL Chest CT」を開発したとしている。