富士フイルム、超音波内視鏡検査時に膵充実性病変が疑われる領域を検出するソフトウエア
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富士フイルムは12月15日、超音波内視鏡の検査時に膵充実性病変が疑われる領域をリアルタイムに検出し、膵臓(すいぞう)がんの早期発見をサポートする超音波内視鏡診断支援ソフトウエア「EW10-US01」を発売すると発表した。AI技術で開発した超音波内視鏡診断支援の医療機器で日本で初めて承認されたという。富士フイルムメディカル(東京・港区)を通じて販売する。
「EW10-US01」は、超音波内視鏡画像を解析し、膵臓が存在すると推定される領域を表示する膵臓認識支援機能と、膵充実性病変が疑われる領域をリアルタイムで検出する膵充実性病変検出支援機能を搭載。解析・検出結果をモニターの超音波内視鏡画像上に表示し、医師に視覚と聴覚で注意喚起することで、膵充実性病変の検出を支援する。

具体的には、膵臓が存在すると推定される領域を検出し、対象領域を白色のマーク(領域ボックス)で囲んで表示。同時に、膵充実性病変が疑われる領域を検出すると、リアルタイムにモニター上の対象領域を水色の枠(検出ボックス)で囲って表示し、報知音で知らせる。
ソフトは、同社の超音波内視鏡・超音波観測装置、プロセッサーと組み合わせて使用する。医師は、超音波内視鏡のスイッチで両機能のオン・オフの切り替えができる。
富士フイルムによると、超音波内視鏡は、CT(コンピューター断層撮影装置)などの画像診断機器と比べ、特に微小な膵臓がんを発見する能力に優れ、膵臓がんの診断での使用が一般的となっている一方、検査の難易度が高く、術者間で技量の差があることが課題となっている。
同社は、この課題解決でAI技術を活用し病変の検出や鑑別を支援する内視鏡診断支援機能「CAD EYE(キャドアイ)」を提供し、下部消化管や上部消化管で展開。今回、対象領域を膵臓まで拡大した。