Cubec、医師向け臨床ナレッジAIをアップデート 医学論文などの参照情報を拡充
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国立循環器病研究センター(国循)発ベンチャーのCubec(キューベック、大阪・吹田市)は12月4日、臨床ナレッジAI(人工知能)アプリケーション「Cubec(キューベック)」の大規模バージョンアップを実施したと発表した。
「Cubec」は、医師が日々の診療で抱く疑問に対し、ガイドラインや医学論文など信頼性の高い情報源をもとに、Chat(チャット)GPTのように対話式で質問できる医師向けの無料AIアプリケーション。医療知識とAI技術を持つ専門家チームが開発し、汎用(はんよう)AIで課題とされるハルシネーション(幻覚)を抑制しながら、医師の使い勝手も追求した。
今回のアップデートでは、米国国立医学図書館の医学・生命科学分野の無料文献データベース「PubMed」の医学論文、各領域の専門医が国内外のガイドラインやエビデンスをレビューした「Cubec医学ノート」、医療用医薬品の添付文書を情報源として無料で利用可能にした。
キューベックでは今後、「Cubec医学ノート」の質量で充実を図るとともに、収録済みデータを最新情報にアップデートしていく方針。また、2026年に予定する次の大規模バージョンアップに向け、日本の各領域の専門医との連携を進める。
すでに、循環器に特化した実践知データの作成を通じてナレッジを蓄積しており、ほかの診療科にも拡大する考え。各診療科の専門性の高い実践知データの格納・学習した次期バージョンは、2027年に公開を計画している。