TOPPANと札幌医大、医療現場の業務効率化で連携、患者への説明動画作成で汎用定型文を開発

TOPPANホールディングス(HD)傘下のTOPPANと、札幌医科大学は8月1日、医療現場の業務効率化と医療サービスの質向上で包括連携協定を締結したと発表した。取り組みの第一弾でTOPPANが販売する、医療従事者の説明業務支援サービス「DICTOR(ディクター)」に必要な説明定型文を共同で開発する。

「DICTOR(ディクター)」の利用イメージ
「DICTOR(ディクター)」の利用イメージ

「DICTOR」は、患者に対して行う手術や検査などの医療行為に対して、医師などの医療従事者のデジタルクローンが説明を行う動画を、テキストデータや画像で自動生成し再生するサービス。医師は事前に自身の音声と顔動画を登録し、デジタルクローンを生成。患者に説明が必要な情報をテキストで入力することで、医師本人の声と顔で説明動画が生成される。

「DICTOR」の説明定型文機能のイメージ
「DICTOR」の説明定型文機能のイメージ

札幌医大とTOPPANは、「DICTOR」で、カテーテル手術やロボット支援下手術などの説明定型文を2026年までに共同で開発。医療従事者の説明用動画作成の負担軽減と、患者に寄り添った分かりやすい説明を両立することを目指す。開発した説明定型文は、ほかの医療機関にも提供し、北海道を始めとする全国の地域医療で活用してもらう。

札幌医大は、臨床現場で豊富な実績を持ち、患者向けに治療説明動画の作成に2024年から取り組んでいる。一方、TOPPANは、「DICTOR」を手掛けており、札幌医大の医学的知見と治療説明動画作成のノウハウと組み合わせ、全国の医療機関が汎用(はんよう)的に活用できる説明定型文の開発で、今回、手を組んだ。