ジョリーグッド、順天堂大学と共同開発の「OSCE試験対応VR」提供開始

仮想現実(VR)ソリューション開発のジョリーグッド(東京・中央区)は6月3日、順天堂大学(東京・文京区)と共同開発した、医学生向けVR教材「OSCE試験対応VR」の提供を開始すると発表した。

「OSCE試験対応VR」は、共用試験OSCE(オスキー)に挑む医学生が臨床現場に近い体験を何度でも反復できる実写VR教材。OSCEとは、医学生が診察や問診などの臨床スキルを実践形式で評価される試験で、「臨床現場に出る前の最終チェック」として重要な役割を担っている。

「OSCE試験対応VR」では、医療面接、胸部診察、頭頸(とうけい)部診察、腹部診察、神経診察、四肢脊柱の6つのカテゴリを「基礎編」「応用編」「模擬試験編」の3ステップ構成で、知識の定着から試験本番のシミュレーションまで一貫したトレーニングを実施できる。さらに、ハンドトラッキング機能によりVR空間上の医師の手に自分の手を重ねられ、VR空間への没入感が増し、自分ごととして学ぶことが可能となっている。

胸部診察 坐位(基礎編)
胸部診察 坐(ざ)位(基礎編)
腹部診察(応用編)
腹部診察(応用編)

OSCE本番は、限られた時間の中で的確に問診、診察を進める力が求められる。特にPre-CC OSCE(臨床実習前客観的臨床能力試験)は模擬患者やシミュレーターを用いた実践型の試験であり、患者対応の姿勢や身体診察の基本手技が評価される。しかし、実際の学習現場ではロールプレイや2D教材を用いた学びが中心で、本番のような診療を反復練習できる環境が限られていることが大きな課題であった。

「OSCE試験対応VR」はこうした課題を解決するために、順天堂大学の協力・監修のもと開発されたという。