キヤノンメディカル、AIで開発したノイズ低減技術搭載のデジタルマンモグラフィー

デジタルマンモグラフィー「Pe・ru・ru DIGITAL」

キヤノンメディカルシステムズは3月12日、AI(人工知能)技術のディープラーニング(深層学習)で開発したノイズ低減処理技術「Advanced intelligent Clear-IQ Engine(アドバンスド・インテリジェント・クリアーIQエンジン、(AiCE)」を搭載したデジタルマンモグラフィー「Pe・ru・ru DIGITAL(ペ・ル・ル・デジタル)」の販売を開始すると発表した。

「Pe・ru・ru」は、日本人女性の体格に合わせたコンパクトな設計と、容易な操作性が特長のFPD搭載のデジタルマンモグラフィー。検診から精密検査(拡大撮影)まで対応する。キヤノンメディカルでは、乳がん検診の受診率向上の念頭に装置を開発したという。

新たに搭載した画像処理の「AiCE」は、独自のノイズ低減処理技術「Intelligent NR」を応用し、ディープラーニングを使って開発したノイズ低減処理技術。キヤノンが長年にわたって蓄積してきたマンモグラフィー臨床画像を活用し、設計段階で機械学習を実施し、さまざまな条件でノイズの特徴を学習させた。

「AiCE」を適用したノイズ低減処理画像の例
「AiCE」を適用したノイズ低減処理画像の例

従来のノイズ低減処理と比較し、必要な画像信号を維持しながら不要なノイズだけを効率的に除去することが可能。また、鮮鋭化処理などの画像処理でノイズが強調されてしまう現象を最小限に抑え、高い鮮鋭性とコントラストが実現できる。従来機の画像と比較し最大で約50%のノイズ低減を実現した。そのため、診断能の向上や、少ない線量の撮影でもノイズの少ない診断画像の提供が可能になるという。

キヤノンメディカルでは、新装置でマンモグラフィー検査の負担軽減、読影に適した質が高い画像を医療現場に提供することで、QOL(生活の質)向上を支援するとしている。