エクセル・クリエイツ、ディープラーニング活用の医用3D画像の異常検出法を開発

頭蓋骨折を異常箇所として検出したイメージ

医療機関向けソフト開発のエクセル・クリエイツ(大阪市)は2月4日、ディープラーニング(深層学習)を活用した医用3D画像用の異常検出方法を開発し、特許出願を行ったと発表した。

医用3D画像データ
医用3D画像データ

開発したのは、CT(コンピューター断層撮影)画像などの医用3D画像を対象に、製造業などで使用されている技術を応用し、病変のない健常者の画像のみを教師データとして使い、正常な状態を学習させることで、正常画像との差異から異常箇所を検出するモデルの構築方法。

エクセル・クリエイツによれば、一般にAI開発のディープラーニングでは学習に大量の教師データが必要となるが、医療業界で、頭蓋骨内出血を検出するAI開発する場合、全ての種類の出血を教師データで大量に収集することは困難で、希少症例は教師データが存在していない課題があったという。新技術では、少量の教師データから異常を検出するモデルを構築できる。

また、2D画像では、骨折を検出する場合には、亀裂の方向が画像面と平行に近くなるほど映りにくくなるため、連続性や分岐のような構造の把握が難しかった。新技術は、3D画像をそのまま学習させることで、立体的な形状が把握できる。

同社では今後、この技術を、救急医療での骨折や出血箇所の検出、がんを始めとする病変検出などでの活用を見込む。また、鹿児島大学と、今回の技術を始めとして、AIで死後CTの画像解析を行い、解剖を支援するプロジェクトで頭蓋内出血と頭蓋骨骨折を検出するAIシステムを共同で開発しており、法医学医師の負担軽減にもつなげるとしている。