TOPPANHD、医療情報分析・提供サービスにアカデミアと医療機関向け分析ツール

TOPPANホールディングス(HD)は11月18日、電子カルテのデータを基にした医療情報分析・提供サービス「DATuM IDEA(デイタムイデア)」で、アカデミア(学術界)と医療機関向け分析ツールの提供を開始したと発表した。

「DATuM IDEA」は、次世代医療基盤法に基づいて収集・匿名加工された医療現場由来のリアルワールドデータ(RWD)を提供するデータベース。これまで主に国立病院機構の電子カルテデータを取り扱っており、がん拠点病院のデータを多く含んでいることから、がんや希少疾患に強みを持つ。2022年4月に開発し、現在は、製薬会社に提供している。

アカデミアと医療機関向け「DATuM IDEA」のイメージ
アカデミアと医療機関向け「DATuM IDEA」のイメージ

今回、追加したアカデミア・医療機関向けに分析ツールでは、地域や施設、疾患、薬剤、詳細な症例といった条件でデータを検索可能。概観把握から詳細なデータの検索まで、全国にわたる大規模患者データの探索を容易に行える。システムは、約70名の医師や研究者の意見を参考し似た画面構成を採用しており、シンプルで操作性に優れるとしている。

TOPPANHDでは、難病の解析や新薬の開発だけでなく、研究シーズの探索や一人ひとりの患者に合わせた医療の実現に役立つとしており、大学や医療機関の研究者などを中心に利活用を進める。今後は、電子カルテデータだけでなくレセプト(診療報酬明細書)や健康診断データなども扱うことで、患者が疾患を認識してから診断、治療、その後の生活までの流れを明らかにした統合データベースの構築を目指すとしている。