がん研、コラボプレイスと、服薬管理システム活用し「服薬アドヒアランス」把握の研究
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がん研究会有明病院(東京・江東区)は9月25日、スズケンの子会社のコラボプレイス(東京・千代田区)と、コラボプレイスの服薬管理システム「CubixxDT(キュービックスDT)」を使った患者の「服薬アドヒアランス」の評価を行う共同研究を10月から開始すると発表した。
今回の共同研究では、がん治療薬を服用する患者を対象に「CubixxDT」を使って、在宅での服薬アドヒアランスをモニタリング、適切に患者に介入する前向き観察研究を実施する。「CubixxDT」を活用し、リモートモニタリングシステムを構築することで、服薬アドヒアランスの向上と患者のQOL(生活の質)の改善につなげる。
「CubixxDT」は、専用服薬パックや専用通信機器で遠隔の服薬情報を可視化し、医療従事者がリアルタイムの把握や管理を可能にする機器。治療薬を充?(じゅうてん)する専用服薬パックと、データをサーバーに自動送信する専用通信機器で構成する。
具体的には、患者が専用服薬パックから治療薬を取り出すと、そのイベントデータが専用通信機器から自動的に専用サーバーに送信される。医療従事者は、専用ポータルサイトの管理画面からいつでもデータを確認し、リモートで患者の服薬状況を把握できる仕組み。
「服薬アドヒアランス」は、患者が治療方法を理解と納得し、積極的に治療に参加することを指す。薬物治療でアドヒアランスが低い場合、治療効果が十分に得られない可能性があるとされる。特に外来患者の在宅の薬物治療では、医療従事者が患者の服薬アドヒアランスを客観的に把握することが難しい課題があった。2社は研究を通じて、医療従事者が在宅での服薬アドヒアランスの情報を把握できる仕組みの構築を目指す。