OPExPARK、手術記録システムにAI音声認識機能を搭載

手術記録システム「OPeDrive(オペドライブ)」

デンソー発の手術情報統合プラットホーム開発ベンチャー、OPExPARK(オペパーク、東京・品川区)は8月15日、手術記録システム「OPeDrive(オペドライブ)」にAI(人工知能)を使った音声認識機能を新たに搭載したと発表した。

「OPeDrive」は、術野と周辺機器などの映像を最大4画面の同時録画が可能で、術中に音声でしおりを挿入できる手術記録システム。動画の録画は、術者の手元、助手やメディカルスタッフの動きなどを含めた手術室の俯瞰(ふかん)映像を取り込むことで、医学生や若手医師、メディカルスタッフの教育やトレーニングにも有効な手術記録を作れる。

録画した動画は、記録システム端末から編集用端末にデータ転送が行え、専用の編集ソフト「OPeDrive VE(オペドライブVE)」で、症例データの管理や手術動画の編集が可能。音声のしおり挿入機能は、音声がリアルタイムで文字起こしされ、音声データと合わせてテキスト情報として記録されるため、編集作業の効率化が図れると共に、ダイジェスト動画を簡単に作成できる。

音声認識のイメージ。記録された音声データは文字認識し保存する
音声認識のイメージ。記録された音声データは文字認識し保存する

今回、搭載したAI音声認識機能では、「OPeDrive」の音声認識機能に、オープンAIの音声認識モデル「Whisper(ウィスパー)」を導入した。オペパークでは、「Whisper」は文章生成能力に優れており、しおり挿入時の認識率向上と文字起こしの精度が向上したとしている。今後は独自の辞書登録機能を搭載することで、単語の誤認識や漢字の誤変換などを減らし、文字認識精度の向上させる。

また、同社では、ユーザーである医師の使い勝手向上や若手医師への教育や学会での発表で、伝わりやすい手術動画が作成できるようにするため、編集ソフト「OPeDrive VE」も一新する考え。ソフトの機能を追加や改修し、アノテーション(動画内へ注釈を挿入する)機能を始めとしたUI(ユーザーインターフェース)/UX(ユーザーエクスペリエンス)の大規模な改修を行う。

さらに、医師の書類作成業務を効率化する機能の開発も計画する。日常的に発生する書類作成業務が、医師にとって最も多くの作業時間を費やしている業務の1つとみて、医師の働き方改革に役立つ機能として提供する。