長崎大ら、生成AIで診療録から情報抽出するEDC運用開始 医師の思考過程を可視化
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長崎大学、横浜市立大学、TXPメディカル(東京・千代田区)は3月11日、生成AI(人工知能)を活用し診療録の非構造化データから情報を抽出する電子データ収集(EDC)システム「NEXT Stage EDC」を構築したと発表した。データの収集を通じて、プライマリ・ケアでの呼吸困難患者の診療で、医師が複数の要素をどう評価し、臨床判断や介入方針を決定しているかの過程を可視化する。
システムは、長崎大学が実施する「プライマリ・ケアにおける呼吸困難の診療の実態と臨床医の思考プロセスに関する研究(予備的調査)」で活用し、3月から運用を始める。これまで研究者の手作業に頼っていた診療録レビュー工程に、生成AIを活用したデータ処理機能を実装。OCR(光学式文字認識)による診療録文章の高精度抽出や、生成AIの文脈理解に基づく情報抽出で、診療録の非構造化データに含まれる臨床判断の文脈を研究に活用できる形に変換する。
また、定量化が難しいとされる医師の思考過程の可視化にも取り組む。生成AIを活用し、単なるデータ転記にとどまらず、テキスト情報として蓄積された診療記載の背後にある判断構造の解明につなげる。
長崎大では「今回の技術によって、臨床現場に蓄積された医師の思考プロセスや判断の文脈を研究資源として活用できる可能性が広がる」(山梨 啓友・長崎大学大学院医歯薬学総合研究科総合診療学分野准教授)としている。