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京都医療センター、GEヘルスケア・ジャパン、国立病院機構初となるコマンドセンターの導入成果を発表

(左から)京都医療センターの松谷事務部長、川端院長、髙田看護部長・院長補佐、白神副院長

GEヘルスケア・ジャパン(東京・日野市)は11月11日、京都医療センター(京都市)が、病院内の情報やデータをリアルタイムで可視化し分析する経営支援システム「コマンドセンター」の稼働を開始したと発表した。国立病院機構が運営する病院での導入は初という。

「コマンドセンター」は、電子カルテを始めとする、病院内の情報システムのデータをリアルタイムで分析し、リアルタイムで可視化することで、患者のケアに関わるフロー全体のオペレーションを最適化するシステム。

京都医療センターは、京都乙訓2次医療圏に位置する国立病院機構が運営する基幹病院。三次救命救急センターや地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院として、地域医療の中核を担っており、デジタル技術の活用にも積極的に取り組んでいる。

院内のさまざまなデータが表示されたスクリーン「タイル」と、タイルのアプリケーションと設計を担った看護師長たち
院内のさまざまなデータが表示されたスクリーン「タイル」と、タイルのアプリケーションと設計を担った看護師長たち

同センターは、「コマンドセンター」の導入で、リアルタイムに可視化された情報を活用し、入院患者数や院内迅速対応チームの起動件数など、主要な指標で前年を上回る成果を達成した。

具体的には、入院患者数が7.4%増加したほか、救急搬送からの入院患者数が13%増加、患者の重症化を早期に察知する院内迅速対応チーム(RRT)の起動件数が2倍以上増加した。また、看護部門の残業時間を40%削減、医業収支が46%改善、医業収支率が2.8%改善といった効果があった。

川端浩・京都医療センター院長は「システムの導入で、病院内の情報がリアルタイムに共有され、われわれの判断や行動の迅速化につながった。また、経営改善のためKGI(重要目標達成指標)やKPI(重要業績評価指標)を設定し、職種の垣根を越えて、目標達成に向けて精進しており、これからもコマンドセンターの効果的な利活用に取り組んでいく」と話している。