大阪医科薬科大病院、院内セキュリティー強化と来院者案内で自律移動警備ロボット導入
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大阪医科薬科大学病院で運用中の警備ロボット「SQ-2」
大阪医科薬科大学(大阪・高槻市)は8月5日、警備ロボット開発のSEQSENSE(シークセンス、東京・中央区)と、大阪医科薬科大学病院(大阪・高槻市)に自律移動型警備ロボット「SQ-2」を導入し、8月4日から本格稼働を開始したと発表した。病院施設の導入は全国初という。
「SQ-2」は、3次元センサーや自己位置推定アルゴリズム、リアルタイム経路計画アルゴリズムなどを搭載した自律移動型警備ロボット。独自の高性能センサー「3D LiDAR(ライダー)」を備えており、警備対象物件の詳細な3次元マッピング、歩行者などの動体検知と回避ができる。立哨、巡回、来院者対応といった警備業務全体や部分的な代替に利用することで施設の管理コストを削減できる。

大阪医科薬科大学病院では、「SQ-2」がエレベーターと連動し1階から4階の巡回を行う。具体的には、警備員が操作監視PCから巡回開始を指示すると、ロボットが指定されたポイントを自律的に移動し巡回する。スケジュール設定に基づく定時巡回も対応しており、巡回が完了すると自動で充電ステーションに帰還し充電を行う。休診日には終日稼働し、広範囲の警備を実施する。

また、診察時間中には、1階で立哨を行いながら音声アナウンス機能を使用し、来院者の案内業務も行う。音声通話の問い合わせ機能を組み込んでおり、初めて来院される人が迷わずに行きたい場所に行けるように支援する。
倒れている人を検知する機能も搭載。巡回中や立哨中に倒れている人を発見すると、直ちに操作監視パソコンに通知する。大阪医科薬科大学病院では、この機能を活用し、異常事態発生時には警備拠点に設置された操作監視PCの警告を通じて、警備員が迅速に現場へ急行できるようにした。
夜間の巡回時には人物検知機能を使って、院内の指定されたエリアや時間帯に人がいるかを確認。人を検知した場合には、操作監視PCに通知することで、夜間のセキュリティー強化、異常事態の早期発見と即座な対応を図れるようにした。
大阪医科薬科大学は、医学、薬学、看護学の3学部を設置する大阪医科薬科大学を中核に、大阪医科薬科大学病院、関西BNCT共同医療センター、健康科学クリニック、高槻中学校・高等学校などの医療・教育機関を展開する学校法人。高度な医療従事者の育成と研究推進に加え、地域社会への包括的な医療支援にも力を入れている。