南部徳洲会病院、ユビーのAI音声要約機能を活用し月間で約200時間の業務時間を創出
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  Ubie(ユビー、東京・中央区)は11月4日、南部徳洲会病院(沖縄・島尻郡)が、「ユビー生成AI」の音声要約機能を、外来診察内容の記載や、病状説明のIC記録などで活用し、月間で約200時間の業務時間を創出したと発表した。
「ユビー生成AI」は、AIを活用した医療機関向けの業務効率化サービス。文章生成や要約、音声認識、画像認識などの機能を搭載し、診療情報提供書(紹介状)や、看護記録、退院サマリの作成などができる。プロンプトのカスタマイズや、音声認識と文章生成を組み合わせなど、病院の目的に合わせた利用にも対応する。
南部徳洲会病院は、看護師、メディカルクラーク、医師、リハビリテーションスタッフなどを中心に全職種で「ユビー生成AI」を活用。基本プロンプトテンプレートの配布と各部署でのカスタマイズで自律的な活用改善サイクルを確立し、月間で6000件の業務で使用する。
具体的には、医師は、IC記録の音声入力、デイリーチャート、救急診察記録・入院初期アセスメント作成、紹介状作成、回診記録、研修医指導業務で使用。看護師は、退院看護サマリー作成、救急外来問診、患者リスト作成、多職種カンファレンス記録、情報収集業務、申し送り記録で利用する。メディカルクラークは、医師の代行記録作成、外来記録・入院患者日々記録のデイリーチャート作成、診断書作成支援、問診業務の現場活用に役立てている。

今回、同院では、これらの取り組みを通じて、IC記録作成など、音声要約が効果を発揮する月間で約5800件の業務の約7割にあたる約4000件でAIを活用することで、月間で約200時間、年間で約2400時間)の業務時間を創出した。
ほかにも、一部病棟で看護師が勤務開始前の患者情報の収集に、音声認識と文章生成AI、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を統合活用し、院内の患者情報収集からグーグルの表計算ソフト「スプレッドシート」への転記までを自動化。これまで最大1時間かかっていた「前残業」を看護師一人あたりで30分未満に短縮し、看護師30名の1病棟全体で月450時間、年間5400時間の削減を見込んでいる。
今後は、音声認識・文章生成AI・RPAの患者情報収集の仕組みを、1病棟だけでなく、残りの6病棟を含む全240名の看護師に展開するほか、各部署の特性に応じたプロンプトのカスタマイズを進め高度な業務最適化につなげる。加えて、スマートフォンと連携した音声入力機能の現場活用を推進や、電子カルテとの連携強化で、コピー・アンド・ペーストの手間解消とインシデントリスク軽減にも取り組む。