OZNET、AIで薬歴業務を30秒に短縮可能な調剤薬局向け薬歴作成業務支援サービス開始

システム開発ベンチャーのOZNET(オズネット、横浜市)は9月18日、AI(人工知能)を活用した保険調剤薬局の薬剤師向け薬歴作成業務支援サービス「薬歴AIディープインパクト」の提供を開始したと発表した。無料プラン、月1500円の月額プラン、年1万4000円の
年額プランで提供する。

「薬歴AIディープインパクト」は、ディープラーニング(深層学習)と自然言語処理技術を活用し、薬剤師の薬歴入力をサポートするクラウドサービス。

薬歴AIディープインパクト 薬歴ダッシュボード
薬歴AIディープインパクト 薬歴ダッシュボード

チェックボックス形式でのヒアリング項目の確認や、音声入力、自由記述内容から、AIが標準的なSOAP(主観、客観、評価、計画)形式の薬歴フォーマットを数秒で提示する。薬剤師は内容の確認や修正をするだけで薬歴を完成させることができる。オズネットによると、1件あたり6.3分の薬剤師の薬歴業務時間を30秒に短縮できるという。

医薬品データベースと連携し、自由記述から医薬品を自動検出して添付文書に基づいた情報を薬歴に反映させることで、記載内容の正確性を向上することも可能。有料プランではトレーシングレポートの作成も支援する。作成した薬歴やレポートは安全に保存・管理し、患者のフォローアップが容易にできるようにした。

日本の保険調剤薬局では、薬剤師の業務負荷、特に薬歴記載の負担は非常に大きく、国が推進する医療DX(デジタルトランスフォーメーション)や薬剤師の働き方改革の大きな障壁の1つになっているという。オズネットは、新サービスで、こうした現場の課題解決につなげる。

今後は、前回薬歴の取り込みによる経時的変化の記録サポートや、疾患予測・ハイリスク薬の服薬指導提案機能などの開発を進める。レセコン(レセプトコンピューター)の処方データに連動した薬歴システムも開発する。