福岡済生会二日市病院、医療文書作成の効率化でオンプレミス生成AIサービス導入

オプティム(東京・港区)は5月15日、福岡県済生会二日市病院(福岡・筑紫野市)が、病院向けオンプレミス生成AI(人工知能)搭載サービス「OPTiM AI ホスピタル」を導入したと発表した。

「OPTiM AI ホスピタル」は、外部インターネットの接続が不要で動作する安全性を確保したなLLM(大規模言語モデル)をベースにした、医療現場の文書作成を効率化するシステム。済生会二日市病院の導入では、インターネットイニシアティブ(IIJ)と連携し、AIサーバーの現場設置や運用支援、現地対応を含むフォローアップ体制を構築した。

済生会二日市病院では、看護サマリーや診療情報提供書の作成に多くの時間が割かれ、医師や看護師が本来の診療やケア業務に費やせる時間が制限されることが課題となっていた。そこで「OPTiM AI ホスピタル」を導入し、看護記録を基にしたサマリーの自動生成や診療記録を基に診療情報提供書の下書きをAIが生成することで、課題解決を図る。

同院が2024年12月から2025年3月にかけて実施したPoC(概念実証)では、12日以上の入院患者の退院時看護サマリーの84%を生成AIが作成支援し、業務コストを36%削減した。

退院時看護サマリーの1件あたり作成時間の比較(2025年5月時点)
退院時看護サマリーの1件あたり作成時間の比較(2025年5月時点)

オプティムは「OPTiM AI ホスピタル」について、今後、音声入力によるSOAP記載の自動化や、院内システムとの接続などの取り組みを進めていくとしている