ユビー、新潟・村上総合病院が文書作成効率化で「ユビーメディカルナビ生成AI」導入
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Ubie(ユビー、東京、中央区)は12月11日、新潟県厚生連村上総合病院(新潟・村上市)が、生成AI(人工知能)を使った医療事務業務の支援サービス「ユビーメディカルナビ生成AI」を導入したと発表した。新潟県では初という。
「ユビーメディカルナビ生成AI」は、複数の生成AIを活用し、医療従事者の業務を支援するサービス。医師向けの紹介状作成に加え、看護師向けの退院看護サマリ作成やIC記録作成、医療事務向けの退院サマリ作成や紹介状作成、カンファレンス議事録作成などが行える。
生成AIはユビーが精度検証などを行った複数モデルを組み合わせ、利用場面に合わせて最適なモデルを使用する。病院ごとの個別環境に対応し、データ学習機能をオフにした生成AIを活用することで、ネットワークセキュリティーにも配慮した。
村上総合病院は、新潟県の県北に位置し、無医村の粟島を含む東京都23区の2.4倍に相当する広大な医療圏を担当する基幹病院。同院では慢性的な職員不足のなか、少ないスタッフでも医療の質を維持し、地域貢献のため医療DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進。取り組みの一環で、2021年4月にユビーのAIを使った事前問診サービス「ユビーAI問診」を導入。病院での問診を用紙からタブレット端末に変え、自宅でも患者自身がスマートフォンで事前に問診できるようにした。
一方で、業務内容を見直し、効率的な運営方法を取り入れても、医師や看護師は、電子カルテの入力、退院サマリー、手術記録、診療情報提供書(紹介状)、病状説明記録など、事務職員も議事録で、作成の手間がかかっていた。そこで、課題解決ツールで生成AIに着目し「ユビーメディカルナビ生成AI」の導入を決めた。
杉谷想一院長は生成AIの活用について「生成AIは、文書作成や要約化、音声入力に文字起こしなど機能が多彩で、あらゆる職種への恩恵が期待される。時間の短縮は働き方改革時代にふさわしいツールだが、生み出した時間で医療の質をどう上げるかが、これからの課題」と話している。