谷田病院、ALYの生成AIで退院サマリー作成時間67%削減、看護サマリーなども効率化
掲載日:
医療向けソリューションのALY(アリー、東京・中央区)は11月18日、谷田病院(熊本・上益城郡)が、医療機関向けの生成AI(人工知能)サービス「ALYアスタント」を導入し、「退院サマリー」「看護サマリー」「リハサマリー」の文書作成業務を効率化したと発表した。
「ALYアシスタント」は、電子カルテのデータベースとつながることで、医療従事者が数クリックするだけで電子カルテの記録を自動で参照し医療文書を作成する生成AIツール。「退院サマリー」「看護サマリー」「リハサマリー」の書類を生成できる。また、自然言語での情報検索が電子カルテの端末から行える。
谷田病院では、医療システム開発のシーエスアイ(札幌市)の電子カルテ「MI・RA・Is V (ミライズファイブ)」とデータ連携し活用。「退院サマリー」は、98件(2024年10月末時点)をAIで作成し、導入前の平均15分から、導入後は平均5分と、1枚あたり平均で67%の作成時間を削減した。
「看護サマリー」は、63件(同)を作成し、入院期間が1週間未満の場合は、導入前の平均10分から、導入後は平均5分と50%、入院期間が1週間以上では導入前の平均30分から、導入後は平均10分と、67%の作成時間を減らした。「リハサマリー」では、98件(同)をAIで作成。導入前の平均15分から、導入後は平均10分と、1枚あたりの作成時間を平均で33%削減した。
谷田病院では、地域密着型医療を支えるため、退院サマリーや看護サマリー、リハビリサマリーの自動生成機能を導入し、業務負担を軽減し、医療従事者が患者ケアに集中できる環境整備を進めている。同院では導入効果について「カルテのコピペや簡略な記載になりがちな退院サマリーが、過不足なくきれいな形で作成できるようになった。時間も、これまでは10~15分程度かかりきりだったが、今は別の作業を並行しながら数分で済んでいる。もうこれなしには、業務がまわらないと感じている」(柳原医師)と述べている。
今後、アリーでは、「主治医意見書」と「診療情報提供書」を年内に提供する。また、複数の電子カルテにも対応していく予定。