済生会中央病院と向島病院、RPA導入し年間で約2000時間の業務を2院合計で削減
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東京都済生会中央病院(東京・港区)
総合人材サービス会社のヒューマンリソシア(東京・新宿区)は10月30日、業務自動化でRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入と利活用を支援した東京都済生会中央病院(済生会中央病院、東京・港区)と、東京都済生会向島病院(済生会向島病院、東京・墨田区)が、2院合計で約2000時間の業務を年間で削減したと発表した。
済生会中央病院(病床数:535床)と、済生会向島病院(同:102床)が所属する済生会グループは400以上の医療と福祉施設を抱え、高度で質の高い医療サービスを提供する施策の1で、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を掲げている。
済生会中央病院は、企画課でデータ集計や資料作成などの事務作業が負荷となり、企画立案業務に十分な時間が取れないなどの効率化の課題、済生会向島病院では、感染症などで職員の欠勤による人員不足や、医療事務などの負担増で、事務作業の簡素化の課題を、それぞれ抱えていた。そこで、2院は課題解決とDXの取り組みの第一歩で、ヒューマンリソシアから、NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)のRPAソリューション「WinActor(ウィンアクター)」を2023年に導入した。
済生会中央病院は、企画課でRPA導入後、ほかの部門への展開が進まないことが悩みだったが、各部門で興味がありそうな職員に声をかけ、院内での認知を高めることで利用を拡大した。一方、済生会向島病院は、導入初期で一時的にRPA対応者の業務が増大したが、ヒューマンリソシアのRPA研修の参加や同社への相談で解決した。
こうした取り組みの結果、済生会中央病院は、8部門で17業務を自動化し、年間で約1300時間の業務時間を削減した。また、人的ミスに起因する職員の精神的負担軽減や、業務の見直しと標準化の契機になるといった副次的な効果も得た。済生会向島病院では、3部門で年間600時間超を削減。加えて、一次的な事務作業増大に対しRPAを活用することで、通常で1200万円程度が必要だった外部委託費の削減にもつながった。
ヒューマンリソシアでは、医療機関で部門の事務業務が年々増え、職員の負担増から、自動化を活用した生産性向上が求められているとみており、こうしたニーズに対応できる医療機関向けRPA利活用支援サービスの提供を拡大。今後3年で50の医療機関に導入を目指す。