ユビー、恵寿総合病院が生成AI業務支援サービスで退院時看護サマリ作成を効率化
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Ubie(ユビー、東京・中央区)は9月30日、恵寿総合病院(石川・七尾市)が、看護師の退院時看護サマリ作成業務で、AI(人工知能)を使った医療事務業務支援サービス「ユビーメディカルナビ生成AI」を導入し、業務効率化を実証したと発表した。
「ユビーメディカルナビ 生成AI」は、複数の生成AIで、医療従事者の業務を支援するサービス。文章生成や要約、音声認識、画像認識を始め、医師向けに紹介状作成、看護師向けの退院看護サマリーやIC記録作成、医療事務向けに退院サマリーや紹介状、議事録の作成機能を提供する。
恵寿総合病院では、生成AIを退院時看護サマリ作成業務に適用することで、作成時間と心理的負担の低減させることができると仮説を立て、サービスを導入。生成AIの活用群と非活用群で、退院時看護サマリの作成時間を測定し、生成AIでの業務効率化効果を算出し検定した。測定件数は「生成AIなし」が従来の人手による作成で89件、「生成AIあり」は100件。
検証の結果、退院サマリ作成時間は、生成AI非使用群の作成時間は平均12分20秒、生成AI使用群は7分5秒で、生成AI使用は入力時間が42.5%減少した。
また、10段階で評価する退院サマリ作成時の心理的負担では、生成AI非使用群の心理的負担度数が3.7、生成AI使用群は2.7で、生成AI使用が27.2%と心理的な負担は低くなった。
ユビーは、結果を受け、生成AIは看護師の主業務の1つ「看護サマリの作成」で非常に大きな効果があり、特に看護師の負担が大きい入院期間が長い症例に対してより効果があると分析。生成AIを活用することで、看護業務の効率と質を大きく向上させられる可能性があり、患者に寄り添った、質の高いケアに集中できる時間が増え、看護全体でさらなる向上が期待できるとしている。
一方、恵寿総合病院では、今回の検証について「生成AIを導入することで、看護サマリの作成時間を大幅に短縮し、看護師が患者さんと向き合う時間を増やすことができ、業務の効率化とケアの質向上という大きな成果を実感している。今後は、さまざまな業務でAIを効果的に活用できるよう、より使いやすい環境を整備していきたい」(山本副看護部長)と話している。