JCHO北海道病院、NTTドコモビジネスなどと音声認識とAIでカルテ下書きする実証を開始

NTTドコモビジネスは1月19日、地域医療機能推進機構(JCHO)北海道病院(札幌市)、AI(人工知能)を活用した診療支援のプレシジョン(東京・文京区)、医療システムなどのシーエスアイ(CSI、札幌市)と、音声認識と生成AI(人工知能)で、診察室の会話からカルテの下書きを作成し、電子カルテとの連携までを院内で完結する実証をJCHO北海道病院で開始したと発表した。

実証では、診察室の会話の入力端末にスマートフォンを活用し、医療情報保護要件に準拠した院内のセキュアな環境で、AI音声認識システムで会話をテキスト化。その後、院内ネットワークに設置したオンプレミスの生成AIサーバーで解析と要点整理を行い、カルテ下書きを生成することで、院内で処理が完結するシステムと運用体制を構築する。

「今日のAI音声認識」の利用イメージ
「今日のAI音声認識」の利用イメージ

スマホはNTTドコモビジネスが提供し、AI音声認識システムはプレシジョンの「今日のAI音声認識」を使用する。「今日のAI音声認識」は、医療特化の音声認識ソリューションで、医師と患者が会話するだけで、カルテ下書きを生成できる。電子カルテは、CSIの「MI・RA・Is(ミライズ)V」と連携する。カルテの下書きはSOAP(主観、客観、評価、計画)形式で作成。連携仕様は、医療アプリとEHR(電子健康記録)の統合フレームワーク「SMART on FHIR」を採用することで、安全性と相互運用性の高いデータ連携を実現する。

システム構成図
システム構成図

4者は実証を通じて、システムが医師の業務負担軽減と患者中心の対話回復や患者の待ち時間の減少の効果を確かめる。また、音声データを含む診療情報の処理を院内だけの安全な環境で完結する運用が、患者の個人情報が外部のクラウドに送信されることがなく、高いセキュリティで保護され、情報の漏洩リスクを最小限に抑えられるかを検証する。

実証は厚生労働省の「ICT機器を活用した勤務環境改善の先駆的取組をおこなうモデル医療機関調査支援事業」の採択を受け実施する。今後はJCHO北海道病院での運用を通じて得た知見を基に、システムの改善と開発を行っていく予定。将来的には看護記録、リハビリ記録など、ほかの業務への展開やJCHOのグループ病院、全国の医療機関への展開も視野に入れている。