ニチイ学館、USEN-ALMEXと5病院で医事DXの共同トライアル ICT活用し外来業務を効率化
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ニチイ学館(東京・千代田区)は12月25日、USEN-ALMEX(東京・品川区)と、ニチイ学館の受託先の5病院で、医事DX(デジタルトランスフォーメーション)の共同トライアルを開始したと発表した。
共同トライアルでは、医療事務スタッフの配置人数が多く、属人的な業務が混在する外来業務で、生産性向上を目指した取り組みを実施する。

具体的には、USEN-ALMEXがAI(人工知能)・リモート案内システムや診察受付システムを提供し、外来受付業務をデジタル化する。また、ニチイ学館が知見を生かし、業務分析に基づいた最適な人員配置や、効率的な業務プロセスを構築する。ICT(情報通信技術)ソリューションを活用し業務を効率化することで、医療事務スタッフの業務負担を軽減し、より一層、患者に寄り添ったサービスの提供を可能にする。
トライアルは、兵庫県立はりま姫路総合医療センター(兵庫・姫路市)を第一弾に、脳神経疾患研究所附属総合南東北病院(福島・郡山市)、日本海総合病院(山形・酒田市)、松江赤十字病院(島根・松江市)、福岡赤十字病院(福岡市)で順次開始した。同社によると、トライアルの現行成果として、総合案内の生産性が50%向上し、受付の自動化率が70%に達したという。
兵庫県立はりま姫路総合医療センターでは「人手不足がますます深刻化しており、医事業務の現場も例外ではないなかで、USEN-ALMEXのICT技術を駆使し、『人でなければできない業務』と『ITでも可能な業務』を明確に区分し、患者サービスの質を維持しつつ生産性向上を図っていきたい。また、今後これらのICT技術が多くの医療機関に普及することで、利便性が向上するとともに、導入費用の縮減や人件費の抑制など、経営改善にも役立つと大きく期待をしている」(担当者)という。
2社は、医療機関が深刻な人手不足に直面し、業務効率化と働きやすい職場環境の構築が急務でデジタル技術の活用が不可欠となるなか、USEN-ALMEXが持つICTソリューションとデジタル化技術と、ニチイ学館の医療事務受託で蓄積してきた現場の知見・運用ノウハウを融合することが、大幅な生産性向上や現場の課題解決に最も有効なアプローチであると考え、共同トライアルを行うことにした。今後は、共同トライアルの成果を踏まえ、連携を強化しながら、医事DXを推進する取り組みを加速する。