東京都済生会中央病院、医用工学研究所と医療用DWH活用しクリニカルパスの定量化に成功
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東京都済生会中央病院(東京・港区)は12月25日、KDDI子会社の医用工学研究所(MEI、三重・津市)と、医療用データウェアハウス(DWH)「CLISTA(クリスタ)!」を活用し、クリニカルパスの品質を定量化する「スコアリング」手法を新たに開発したと発表した。
「CLISTA!」は医療機関の電子カルテデータを統合・可視化し、経営・診療・研究を支援する医療用データウェアハウス。東京都済生会中央病院では、高度急性期病院としてクリニカルパスの活用に取り組む一方で、パス適用率やアウトカム記入率の算出で多大な労力がかかり、データ分析の専門人材不足が課題となっていた。そこで、課題解決で「CLISTA」を導入した。
2024年度はクリニカルパス分析の分野で「CLISTA!」の活用を開始。パス適用率やアウトカム記入率の自動算出をはじめ、バリアンス分析や出来高比較など、パス運用を多角的に可視化する分析環境を構築したことで、院内でデータを用いた定例報告や課題抽出が可能となった。
2025年度にはパスの品質を定量化する「スコアリング」手法を新たに開発。在院日数・DPC(診断群分類)期間差・アウトカム達成率など複数の指標をスコア化し、改善優先度の高いパスを可視化する仕組みを構築した。
同院では今回の成果を、MEIと、第25回日本クリニカルパス学会学術集会で共同発表した。今後は、データ分析に基づくエビデンスドリブンなパス改訂・新規作成の推進を計画。MEIが引き続き活動をサポートする。