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Albatrus、業務効率化と診療報酬の加算が可能な紹介状デジタル送付サービス開始

医療向けクラウドサービスなどのAlbatrus(アルバトロス、三重・津市)は10月31日、診療情報提供書(紹介状)のデジタル送付サービス「Medcloud(メディクラウド) 紹介状クラウド」の提供を開始すると発表した。

「Medcloud 紹介状クラウド」は、1通あたり約4分かかるとされる紹介状の印刷や封入、投函(とうかん)作業を、PC上でのアップロードと送信に集約。作業時間を最大75%削減できるという。送信費用は1通あたり120円で、1通あたり150円が目安の郵送費よりもコストを抑えられるとしている。情報はリアルタイムで共有されるため患者の待ち時間問題も解消にもつながる。

アップロードした紹介状はAI(人工知能)が読み取り・分析。連携先の登録の有無、患者名、診療科、担当医といった必要情報を自動で提案することで、データ入力にかかる事務の作業時間を削減する。

診療報酬の点数も取得できる。紹介状を送る側の病院は、検査と画像データを添付して電子的に提供することで、「検査・画像情報提供加算(30点)」の対象となる。一方、受け取る側のクリニックは、電子的に紹介状を受け取ることで、「電子的診療情報提供評価料(30点)」の対象になる。連携先のクリニックは、サービスを一切費用負担なしで利できる。

「3省2ガイドライン」の準拠などでセキュリティーを担保した
「3省2ガイドライン」の準拠などでセキュリティーを担保した

セキュリティー面では、厚生労働省などが定める「3省2ガイドライン」に準拠し、金融機関でも利用されるアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のクラウドやKDDIグループの閉域網VPN(仮想私設網)サービスを活用することで、医療情報の安全を確保した。

アルバトロスによると、1日あたり800人の外来がある規模の病院がサービスを導入した場合の試算で、郵送費の削減と診療報酬加算の取得で、実費だけで月あたり21万円の収入増が見込めるという。加えて、地域連携の強化:職員の生産性向上、患者満足度の向上も図れるとしている。