ウェルヴィル、音声AI対話を使った病院予約・受付システムの提供開始

AI(人工知能)を使った対話システムのウェルヴィル(東京・文京区)は10月1日、音声AI対話で患者が自宅から音声対話で予約・問診を行い、来院時にはAIアバターが受付対応する病院向けソリューション「LIFE TALK ホスピタルゲート」の提供を開始したと発表した。

「LIFE TALK ホスピタルゲート」の仕組み
「LIFE TALK ホスピタルゲート」の仕組み

「LIFE TALK ホスピタルゲート」は、自宅での予約・問診システムと来院時の自動受付システムで構成。予約・問診システムは、AIアバターとの音声対話で24時間365日の予約受付や、症状の聞き取りから診療科を自動判定し、最適な予約日時の提案を行う。チャット形式での予約も選択できる。オプションの多言語対応で外国人患者にも対応する。

自動受付システムでは、院内モニターのAIアバターが予約番号を聞き取り、自動で受付処理する。受付は音声とタッチ操作で行える。そのほか、事前の問診データから診療申込書の自動生成、患者の受診状況のリアルタイム管理・可視化が可能。医療情報のデータ連携の国際標準規格「HL7 FHIR」に準拠しており、電子カルテシステムと連携もできる。

機能面では予約管理で、予約番号による呼び出し表示や、患者が遅刻時に自動再予約し、空き時間枠を有効活用ができる。また、リアルタイムでの予約状況管理と最適化、当日予約対応も可能。オプションでSMS通知も用意する。

サポート機能では、診断書などで対話形式での記入方法を案内する申請書類作成支援、病院内外のFAQへの自動応答、対話履歴の統計分析とレポーティングを提供する。医療機関の運用形態に合わせたカスタマイズにも対応した。

ウェルヴィルによると、医療機関はシステム導入で、AIの自動化で人員配置を最適化し受付業務時間の削減、24時間のウェブ予約対応で電話対応時間の削減、予約ミス・キャンセルの削減、受付業務の省人化による人件費削減といった効果が見込めるという。一方、患者は、事前予約・問診で受付の待ち時間短縮や24時間の予約対応、音声対話による操作の簡便性、スムーズな受付対応でストレスの軽減といったメリットがあるとしている。

今後は、ソリューションの機能拡張を進め、医療機関のあらゆる受付業務をAI対話で支援する包括的なプラットホーム構築を目指す。具体的には、AIで適切な診療科に振り分ける症状の初期スクリーニング機能やオンライン診療の予約・受付対応機能、薬局・介護施設への横展開、予約データの分析を基に診療体制の改善を提案する運営最適機能の追加を検討する。