新橋トラストクリニック、AI接客システム導入で年間200時間の受付業務削減へ

新橋トラストクリニックに導入されたAI接客システム「AIさくらさん」

システム開発のティファナ・ドットコム(東京・目黒区)は9月11日、新橋トラストクリニック(東京・港区)が、受付業務の効率化でAI(人工知能)接客システム「AIさくらさん」を8月から導入したと発表した。

「AIさくらさん」は、AI、デジタルサイネージ、アバターを使った接客システム。「ChatGPT」や画像生成AIなど最新のAI技術を搭載。業務内容に合わせたカスタマイズが可能で、運用やメンテナンスの作業は完全自動化した。

新橋トラストクリニックは、新橋駅から徒歩数分の立地にあり、通勤や買い物の合間にも立ち寄れる利便性の高さを強みに、内科や皮膚科、サロンまで幅広く診療を行っている。

一方で、高い利便性から、多くの患者が訪れることで受付は常に混雑。スタッフは来院対応に加え、電話応対や事務処理を同時に行う必要があり、診療時間などの定型的な問い合わせが繰り返されることで、注力すべき業務に十分な時間を割けない状況が続いていた。そこで、受付ひっ迫の状況の解決で「AIさくらさん」を導入した。

同クリニックでは、診療時間や診療内容、サプリメント情報などの定型的な質問の自動応答と、来院受付や予約確認といった窓口業務で「AIさくらさん」を活用。導入から約2週間で、スタッフ約8時間分の作業代行となる250件以上の受付に対応した。年間では約6000件以上、200時間以上の受付業務をAIで削減することを見込む。

導入後は、AIが定型的な質問や、診療時間、薬の受け取り、サロン案内などをカバーすることで、スタッフが専門性の高い対応や、患者へのホスピタリティに注力できる環境が整いつつあるという。

今後は、患者から寄せられる満足度評価を取り入れ、AIの会話や案内の質を継続的に改善。利用者の声を生かし進化する「成長型AI受付」として、患者体験の質を高めると同時に、スタッフの負担軽減とクリニック全体のサービス向上につなげる。また、AI接客の導入を皮切りにデジタル技術の活用も進める。