MDV、埼玉県立循環器・呼吸器病センターがコミュニティーサイト活用し診療録監査体制を改善
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メディカル・データ・ビジョン(MDV)は9月5日、埼玉県立循環器・呼吸器病センター(熊谷市)が、コミュニティーサイト「ちょこつな」を活用し、診療録監査体制を改善したと発表した。
「ちょこつな」は、事務職を中心に病院職員が参加するコミュニティーサイト。病院職員が仕事をする中で感じた疑問や悩みを投稿し、サイトの会員が答えるなどオンラインで交流する。2023年12月に開設された、2025年8月末日時点で事務職を中心に病院職員478人が参加する。
埼玉県立循環器・呼吸器病センターは、病院機能評価更新受審で、診療録監査体制の改善点が指摘され、監査に関わる職員の意識改善と、監査報告内容の精度向上に向け体制と手法を見直しに着手。診療録監査体制で、これまで実施していた自科評価のみから、他科の視点を取り入れた相互評価体制に変更し、評価結果をグラフにして院内で情報共有するようにした。
同時に「ちょこつな」で提供する「診療記録の質的監査の運用支援ツール」を利用。ツールで、評価者ごとに配布するための評価票を作成し、記入された評価結果の集計すると共に、患者ごとの総括データから頻出するワードを分析して、監査項目の課題や改善点を把握し、次回の評価項目の見直しに活用した。
その結果、相互評価体制の導入と評価結果の共有によって、医師から診療録記載の相談が寄せられるなど、意識の改善につながった。「ちょこつな」のツール導入で監査対象患者の抽出から評価票の印刷までにかかる時間を1件あたり16分から10分に短縮、結果入力の作業時間を15分から5分に短縮した。

同院では、今回の取り組みについて、大宮ソニックシティ(さいたま市)で8月28日~29日に開催された「第51回日本診療情報管理学会学術大会」でポスター発表を行った。発表した医事担当の石川暢子氏は、今後について「監査結果のデータを長期的に蓄積し、改善提案の質を高めていく。また、監査プロセスのデジタル化など、さらなる効率化に向けて積極的に電子化を進める」と話した。