生和会、関西のリハビリ9病院で生成AI導入、業務改善に着手

全国で40カ所以上の病院・施設などを展開する医療法人の生和会グループは7月29日、関西圏のリハビリテーション病院の9施設を対象に、生成AI(人工知能)を活用した業務改善の推進に取り組むと発表した。AIを、医師、看護師、リハビリテーション専門職などの多職種連携と、業務プロセス最適化、医療サービスの質向上に役立てる。

生和会では、AIで業務改善の推進に向け「AI業務改善委員会」を発足させた。委員会は、既存の業務フローを精査し、「AIでは対応が難しい業務」と「AIで代替・支援できる業務」を切り分け、優先度の高い案件から順次PoC(概念実証)を実施する。

また、グループのDX(デジタルトランスフォーメーション)とAI推進部門のSDX研究所と連携し、知見を共有。医療従事者にハードルの高いプロンプト設計やデータ整備はSDX研究所が担うことで、現場とのシナジーの最大化を図る。

生成AI使用ガイドライン
生成AI使用ガイドライン

SDX研究所では、院内で生成AIを正しく安全に利用するためのグループ共通の指針「生成AI使用ガイドライン」を策定しており、今回のAIの利用でも活用する。ガイドラインは、国内外の先行ガイドラインを参照し、データの取り扱い、患者プライバシーの保護、倫理的配慮など、医療機関として順守すべき事項を明文化した。

生和会は今後、SDX研究所を通じて、外部サービスでは費用対効果の課題から導入を見送った領域も、グループ内向けに自社開発を行うことで機能の最適化とコスト抑制を両立させる。院内で実証した機能は外部提供も視野に入れている。さらに、グループ内外のパートナー企業と連携し、AI技術の進化を機敏に取り込みながら持続的な業務プロセス改革と働きやすい職場環境を創出する考え。