ユビー、亀田総合病院で生成AIと電子カルテ連携で、がん登録業務を効率化する実証実験

亀田総合病院(千葉・鴨川市)

Ubie(ユビー、東京・中央区)は7月9日、亀田総合病院(千葉・鴨川市)で、生成AI(人工知能)サービス「ユビ―生成AI」と電子カルテシステムを連携した、がん登録業務の効率化の実証実験を実施したと発表した。

実証実験の概要
実証実験の概要

今回の実証実験では、亀田総合病院の電子カルテシステムに蓄積された診療情報を、データウェアハウス(DWH)経由で「ユビー生成AI」のシステムに自動連携する基盤を構築。必要な患者データをまとめて「ユビー生成AI」と効率的に連携できるようにした。また、「ユビー生成AI」の既存のワークフローと併用することで、特定の時間に大量処理のプリセットを可能にした。

「ユビー生成AI」と連携したた電子カルテのさまざまな形式のデータから、がん登録に必要な情報を自動的に抽出し、構造化と一覧化することで、担当者が当該患者ががん登録を行うべきかどうか選別する効率を上げ、電子カルテ内の情報を個別に参照することなく、必要な情報をまとめて確認できるようにした。

実証実験の成果
実証実験の成果

実験の結果、対象患者の抽出にかかる時間を年間で約3割削減するなど、業務負担軽減につながる成果を確認した。また、登録作業全体で約30%の効率化が見込まれるという。

亀田総合病院は、千葉県南部の基幹病院として急性期医療を担う。同院では、全国がん登録と院内がん登録業務に多大な時間と労力がかかるという課題を抱えていた。具体的には、年間で約2万8000件のカルテから約2800件のがん登録対象患者の情報を手作業で収集と入力する必要があり、情報収集・整理に多くの時間を割いていた。今回、この課題解決で、ユビーと生成AIと電子カルテを連携した登録業務の効率化を目指す実証実験を行った。

ユビーでは、亀田総合病院との実証実験で得られた成果や知見を生かし、今後も、ほかの医療機関で同様の課題を解決する取り組みを進める。