飯田市立病院、セールスフォースのCRMとAI導入、現場効率化と医療の質向上など目指す
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セールスフォース・ジャパン(東京・千代田区)は6月11日、飯田市立病院(長野・飯田市)が、医療現場の効率化と医療の質・患者サービス向上で、セールスフォースのCRM(顧客管理システム)プラットホームを導入したと発表した。
飯田市立病院は、地域の急性期医療を担う中核病院である一方、深刻な人手不足が課題となっており、医療従事者やスタッフの業務負担の軽減や生産性向上、心理的負担の低減が急務となっている。
こうした状況を受け、医療現場に合ったアプリケーションを迅速で安全に開発できる「Salesforce Service Cloud(セールスフォース・サービス・クラウド)」を採用。導入後は標準機能を利用し「外部業者の来院予約システム」や「地域医療機関向けの活動管理・問い合わせ管理アプリケーション」などを開発した。
同院では、ソリューションの導入・活用を推進しており、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)推進で、国の「全国医療情報プラットフォーム」でも採用される医療情報通信の国際標準規格「FHIR」の医療データ標準化規格に準拠した「Salesforce Health Cloud(セールスフォース・ヘルス・クラウド)」を電子カルテと連携し、院外との患者情報共有の迅速化を図る。
また、医療スタッフの業務負担や心理的負担の軽減、医療の質と患者サービス向上で、セールスフォースの生成AI(人工知能)「Einstein(アインシュタイン)」と自律型AI「Agentforce(エージェントフォース)」も導入した。「Einstein」は、患者情報の収集支援や看護サマリー作成で効果を確認しており、今後は「Agentforce」で、院内外からの問い合わせ対応などの高負荷業務を行うことを検討する。
さらに、院内外関係者との円滑なコミュニケーションツールとして導入されたコミュニケーションツール「Slack(スラック)」も有効性を高く評価しており、患者情報の収集やタスク管理といった多様な業務で展開する。同時に、「Slack」で動作する「Agentforce in Slack(エージェントフォース・イン・スラック)」の現場活用に向けた検証も進めている。