神戸中央市民病院、GEヘルスケアのコマンドセンター活用で新入院患者数が8.8%増
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(左から)木原康樹・神戸中央市民病院病院長、藤原のり子・神戸中央市民病院副院長兼看護部長
GEヘルスケア(東京・日野市)は6月3日、神戸中央市民病院(神戸市)が、同社の医療機関内の情報をリアルタイム分析する経営支援システム「コマンドセンター」を「ボリュームコントロールセンター(VCC)」と命名し、病床運営の効率化と、患者中心の質の高い医療を提供で活用を開始したと発表した。
VCCは、病院内の多種多様なデータを包括的に解析し、分析することで患者フローに関連するオペレーション全体を把握し、最適化するソリューション。電子カルテなど院内のデータをリアルタイムに可視化し、意思決定に必要な情報を関係者で適切に共有することで、入退院業務の効率化と病床管理の負担軽減と質の向上を支援する。
神戸中央市民病院は、高度な医療を提供する地域中核病院である一方、地域の医療ニーズに応え続けるべく、病床管理の効率化による新規入院患者の受け入れ拡大が求められていた。しかし、これまで病床管理は病棟を巡回して状況を把握しており、時間と労力がかかると共に、緊急入院を積極的に受け入れることが難しかった。その解決でVCCを導入した。
VCC導入後は、毎朝15分間の「朝のベッドの会」を実施。リアルタイムで病棟の空床状況や看護師の繁忙度、患者の重症度などをVCCの画面で確認できるようになり、迅速な意思決定が可能となった。その結果、2024年の10月~12月には前年同期間比で新入院患者数が8.8%増加。特に救急病棟では16.3%増と大きな成果を上げた。また、病棟間の情報共有が進み、看護師の応援態勢も公平に構築され、チーム力の向上にもつながっているという。


同院では、今後のVCC活用について「ここで得たデータを病床再編成や、予約入院の仕組みに活用し、さらなる発展につなげたい」(藤原のり子・副院長兼看護部長)としている。