オープン、名大病院がRPAで看護部門の人員調整時間3分の1に削減

オープングループ(東京・港区)の子会社で、スマートロボット事業を行うオープン(東京・港区)は、名古屋大学医学部附属病院(名古屋市)が、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の「BizRobo!(ビズロボ)」の院内での活用領域を拡大し、看護部門の業務効率化を実現したと発表した。

「BizRobo!」は、ソフトウエアロボットの導入・運用プラットホーム。名古屋大学医学部附属病院では、2019年にサーバー型RPAツールで「BizRobo! Basic」を導入。医師の勤務時間の計算支援を行うロボット、外部資金の予算執行状況確認表を作成・送付するロボットなど、十数体を稼働させている。オープンによると、最初に導入した事務部では年間で1000時間以上の業務削減効果があったという。

病棟間の看護職員応援調整サポートロボットの効果イメージ
病棟間の看護職員応援調整サポートロボットの効果イメージ

病院では、この実績を踏まえ、2023年度からは独自の閉域ネットワーク「診療ネットワーク」でも活用を開始。現場部門の看護部では、毎朝ロボットが病棟の入院患者数、ベッドの稼働率、入退院予定患者数、手術予定・検査予定件数などをファイル出力、エクセルに転記し、マクロを動作させて状況一覧を自動で作成。その結果、毎朝の応援調整にかかる時間を、一カ月あたり450分から150分と、3分の1に削減した。

現在、名古屋大学医学部附属病院は、事務部のネットワーク上で43体、診療ネットワーク上で8体のロボットを運用しており、各診療科で、医師や事務スタッフの負担軽減やタスクシフトに直接つながるロボットの開発・活用に取り組んでいる。今後は、看護部に続き、検査部、医療技術部、薬剤部など、さまざまな部門にロボットを横展開し、最終的には病院全体で活用する計画。