富士フイルム、患者対応監査支援AI機能を提供開始 統合診療支援プラットホーム向けオプション

富士フイルムは4月9日、CT(コンピューター断層撮影装置)検査後の患者対応が適切かを確認する医療監査業務をAI(人工知能)がサポートする「患者対応監査支援AI機能」の提供を開始すると発表した。CT検査後に作成される読影レポートや診療録を解析し、監査対象候補の検出や患者対応の妥当性の検証と進捗管理などの情報を自動で選別して提示し、監査業務の効率化を支援する。富士フイルムメディカルを通じて販売する。

「患者対応監査支援AI」は、AIが全患者のCT検査レポートの一覧から所見の悪性度や偶発性を踏まえて、重要所見が含まれる可能性が高いレポートを自動的に抽出し、患者説明や追加検査のオーダーなどの対応が適切に行われているかを判定する。

患者一覧の画面
患者一覧の画面

判定後は医療監査部門向けに対象レポートと患者対応状況をリストアップ表示する。

患者個別の監査画面イメージ(診療録)
患者個別の監査画面イメージ(診療録)

また、患者ごとの画面では、患者対応が適切に行われているかを判定する根拠とした診療録内容をハイライトして表示する。AIが、多くの診療録の中から、対応の妥当性の検証や進捗(しんちょく)確認などに必要な情報を選別し、自動表示することで、監査業務の効率化を後押しする。

機能は、武田理宏・大阪大学大学院医学系研究科教授、杉本賢人特任助教らとの共同研究の成果を基に、読影レポートに書かれた所見を分析し、緊急性や重要度の高いレポートを抽出する技術と、その後適切な患者対応が行われているかを判定する技術を開発した。

また、大阪大学医学部附属病院が監査業務で採用する患者対応の正当性の判定基準とワークフローをベースに判定ロジックと直感的なユーザーインターフェースを設計した。大阪大病院のデータで精度検証した結果では、レポートを構造化し悪性度を判定する技術は、人が悪性所見を含むと判断したレポートに対し、95%以上の精度で悪性と判定したという。

機能は統合診療支援プラットホーム「CITA Clinical Finder(シータクリニカルファインダー)」のオプションで提供する。

「CITA Clinical Finder」は、電子カルテの各種情報や、放射線、内視鏡、生理検査、病理検査などの部門システムに保存されている検査画像やレポート、診療文書など、院内の情報を統合管理できる診療支援システム。

患者ごとに情報を統合し、診療場面に応じて必要な情報を閲覧できる機能や、複数患者の診療情報を一覧表示し、入院患者の状況などを一度に視認できる機能、検査レポートの見落としを防ぐ既読管理機能などを搭載する。システムは地域の中核病院を中心に約500の医療施設に導入されている。