ファストドクター、診療報酬算定自動化システムを開発 熊本の病院で工数8割省力化

医療支援プラットホーム運営のファストドクター(東京・渋谷区)は4月7日、外来の診療報酬の算定業務自動化システム「算定エージェント」を開発したと発表した。同社では、谷田病院(熊本・甲佐町)にシステムを試験導入し、外来算定業務の工数を約8割省力化したという。

「算定エージェント」は、電子カルテの診療情報を取得し、適用される算定条件を基に診療報酬を自動で算定する。また、レセプト(診療報酬明細書)コンピューターの反映から患者への領収書・明細書の印刷までのプロセスも自動で行う。

一般的な外来の算定・請求業務の概要
一般的な外来の算定・請求業務の概要

同社は、これまで国内で算定業務の自動化が難しかった背景には、電子カルテの構成や業務フローなどが施設ごとに大きく異なる点があるとみる。

例えば、同じ診療情報でも「構造化データ」として登録する病院、「医師の自由記述」で登録する病院があり、データのフォーマットが統一されていないという。さらに、算定に必要な情報の入力方法や管理の役割分担も組織で異なるため、共通のロジックでの対応は困難だった。

今回のシステムでは、医療機関ごとの業務プロセスに合わせたカスタマイズを前提に、こうした差異に対応できるようにした。

システムは谷田病院で2025年11月から実証を開始した。特定の診療科の外来算定業務の工数を約8割省力化し、人手を介さずに正確に自動実行できることを確認した。現在、外来算定業務には2名の職員が従事しているが、システム導入によって業務を削減できたことから、より人の手が必要な業務に人材を再配置する。

同院が所在する甲佐町は、人口約1万人の地域で、過疎化・高齢化が進んでいる。こうした地域では全国的に診療報酬算定や請求業務を担う専門的な事務人材の確保が難しく、業務効率化は大きな課題となっており、DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化と人員配置の最適化を目的に実証に参加した。

ファストドクターでは今後、対応する電子カルテやレセプトコンピューターの種類を増やし、多くの医療機関で利用可能な環境を整備する。対応診療科や算定対象領域の拡張も進め、自動化率の向上を目指す。