富士通Japanなど3者、大阪病院で生成AIを安全に利活用する体制構築プロジェクト
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(左から)調印式に参加した、桑原裕哉・富士通Japanヘルスケア事業本部長、西田俊朗・大阪病院院長、清水教弘・日本マイクロソフトヘルスケア統括本部統括本部長、重信卓哉・フォーティエンスコンサルティングソーシャルバリュークリエイション本部長
富士通Japanは2月19日、大阪病院(大阪市)、NTTデータグループのフォーティエンスコンサルティング(東京・千代田区)と協定を締結し、日本マイクロソフト(MS)の技術を活用た、医師や看護師が業務で生成AI(人工知能)を安全に利活用できる体制構築のプロジェクトを開始したと発表した。
プロジェクトでは、生成AIと電子カルテの診療データを活用した退院サマリー作成と看護申し送り効率化、生成AI利活用の運用ガバナンス構築、生成AI利活用の教育プログラムの実施に取り組む。大阪病院では、生成AIサービスの運用を2026年6月から開始する。4社は本格運用に向けて、生成AI利活用の院内ガイドラインの整備や情報基盤、運用ガバナンスを構築し、病院内での生成AI利活用の普及・浸透を図る。
退院サマリー作成と看護申し送り効率化では、大阪病院の年間退院サマリ約1万6000件に対し、富士通Japanが開発した生成AIの医療文書作成支援サービスを活用し、サマリーの作成支援を行う。看護領域では看護申し送り業務に必要な要点整理に生成AIを活用する。
また、大阪病院でのサービス導入だけではなく、地域医療機能推進機構や、そのほかの公的病院などに対して電子カルテの診療データ活用支援を行い、個人情報保護と医療の質向上を両立させながら、診療業務などでの生成AIの利活用を拡大する。
ガバナンス構築では、大阪病院は医療情報の機密性を踏まえ、セキュリティー・プライバシー・コンプライアンス(法令順守)を重視した日本MSの生成AIプラットホームでデータや生成AIの出力結果の取り扱いの運用ルールを整備し、法令・倫理面に配慮した生成AI利活用の運用ガバナンスを体系化する。
同時に、大阪病院で、医師や看護師、事務部門などの多職種のメンバーが参画し、医療現場での生成AI利活用を促進する「DXアンバサダー(院内推進リーダー)」を設置。現場課題の把握からユースケースの検証、生成AIの利活用支援までを一体的に進める。活動で得た知見は生成AI利活用のフレームワークに整理することで運用ガバナンスを強化し、診療への展開と医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進につなげる。
教育プログラムは、3者と日本MSの生成AI導入知見をもとに、生成AIの利活用の基本方針を定め、方針に基づいて、ほかの医療機関で生成AIを導入するための運用ガイドラインや、医療従事者向け生成AI活用ガイドラインを、フォーティエンスコンサルティングが中心となり策定する。フォーティエンスコンサルティングでは、教育プログラムの提供・実施を支援するとともに、院内全体のデジタルリテラシー向上と生成AIの利活用の定着を図る。
3者は今後、プロジェクトを通じて、大阪病院が生成AI利活用に伴う働き方の改善状況をモニターし、診療領域での生成AI実装ノウハウをほかの病院へ横展開できるプログラムを立案する。
富士通Japanは電子カルテサービスの提供に加え、医療機関全体のDXを推進するデジタルホスピタルのサービス展開に向け、中心となる生成AIサービスの拡充や、持続可能な医療提供体制の構築を支援する取り組みを進める。
フォーティエンスコンサルティングは、医療機関での生成AIの適切な利活用に必要な体制構築のあり方、医療現場での生成AI運用に必要なドキュメントを整備し、医療機関全体に波及できる教育プログラムの開発につなげる。