ケアネット、小児医療の電子カルテで医師の所見を構造化データ変換に成功
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ケアネットは2月17日、国立成育医療研究センター(東京・世田谷区)と、小児医療の電子カルテで記載された医師の所見などの情報を構造化データに変換の研究を実施し成功したと発表した。
ケアネットによると、電子カルテは患者の基本情報や処方履歴といった項目が構造化データとして整理されているが、医師が自由に記載する所見や経過記録といった文章データは、項目が決まっていない非構造化データで、病状や患者背景など詳細な情報が数多く含まれており、活用できれば健康医療データの多角的で精密な解析が可能になる。
しかし、そのためには文章をコンピューターが理解しやすい形に変換と分析する自然言語処理技術や、文章情報に注釈(タグ付け)を施すアノテーション技術、診断名や症状名などを標準的に整理した構造化用語辞書を整備する必要があり、大きな技術的ハードルとなっていたという。
今回の研究では、気管支ぜんそくやアレルギー性鼻炎などの治療で広く使用される薬「ロイコトリエン受容体拮抗(きっこう)薬(LTRA)」の処方歴があり、アナフィラキシー(重いアレルギー反応)症状が発現した、国立成育医療研究センターの患者の電子カルテ情報を対象に実施。医療データの利活用ベンチャーのH&H CONNECT(東京・中央区)の自然言語処理技術とアノテーション手法を組み合わせ、構造化用語辞書を活用し、非構造化データを構造的(定められた形式で整理)に分析した。
その結果、電子カルテに記録された医師の所見や診断内容などの文章情報の非構造化データを、分析しやすい形式へ効率的に変換することに成功。手法の有用性と汎用(はんよう)性も確認した。同社では変換したデータを従来の構造化データと統合し解析用データセットを生成することで、より精密な分析が可能となり、小児医療分野の健康医療データ活用の拡大につながるとしている。
今後は、非構造化データを構造化させ健康医療データの情報を充実し、健康医療データを活用した小児医薬品の安全性監視や開発に役立てる。また、研究で得た知見を生かし、ほかの疾患領域での展開や健康医療データのさらなる活用方法を検討する。