メディヴァ、シーズ・ワン・C&CH協会と中小病院のDX支援で提携 生成AI・電子カルテ導入サポート

DX支援の先行施設の水海道さくら病院(茨城・常総市)

医療コンサルティングのメディヴァ(東京・世田谷区)は10月7日、医療機関のIT導入などを支援するシーズ・ワン(東京・中央区)、コミュニティホスピタル推進支援のコミュニティ&コミュニティホスピタル協会(C&CH協会、東京・台東区)と、中小病院のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援で業務提携したと発表した。IT基盤の刷新からクラウド型電子カルテの導入、生成AI(人工知能)の活用までを一体でサポートする。

提携では、3者の病院経営管理のノウハウ、IT基盤の構築技術、総合診療医の知見を組み合わせたサービスを提供する。具体的には、C&CH協会が支援した同善病院(東京・台東区)と水海道さくら病院(茨城・常総市)での業務改善手法を体系化し、全国の中小病院に展開する。

支援では、まず院内のIT環境や業務の流れを調べ、課題に応じてネットワークや機器を設計する。その後、クラウド型電子カルテやマイクロソフトのチャットツール「チームズ」などを段階的に導入し、運用の定着を支える。

総合診療医と共同開発したFAXの自動処理や音声によるカルテ文案作成の仕組みも、支援する病院の状況に合わせて導入する。さらに、導入初日から課題管理リストを作成し、職員の意見をシステムやマスター設定の改善に反映する。院内で継続的にDXを進められるよう、人材育成も支援する。

先行する同善病院と水海道さくら病院では、老朽化したPCや無線LANなどを刷新し、院内ネットワークを整備した。

亀田医療情報のクラウド型電子カルテ「blanc(ブラン)」、NTTプレシジョンメディシンの在宅医療向け電子カルテ「モバカル」、富士フイルムの統合診療支援プラットホーム「CITA(シータ)」、文書管理システム「Yahgee」を導入。院内に加え、夜間や休日も医師の支給端末から院外でカルテを確認できる環境を構築した。

職員間の連絡には、内線電話に代わってマイクロソフトの「チームズ」を活用。チャットで情報を共有できるようにして、電話の折り返し待ちを減らすとともに、会議の効率化につなげた。

同善病院(東京・台東区)
同善病院(東京・台東区)

同善病院では、Tukusi(ツクシ)の医療特化型AI基盤「TukusiAI(ツクシエーアイ)」と電子カルテ、チームズを連携。総合診療医や訪問リハビリの専門職と、患者の言葉や家族・生活環境の情報を残すなどの要件を整理し、生成AIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による業務自動化を進めた。

その結果、診療中の会話録音からSOAP(主観、客観、評価、計画)形式のカルテ文案を作成する仕組みで、医師のカルテ作成時間を約55%、1日当たり約50分削減した。理学療法士や言語聴覚士などのリハビリ職では、入力時間を約54%、1日当たり約32分短縮した。

また、FAX処理では、OCR(光学文字認識)で読み取った内容を生成AIが要約し、チームズの担当チャネルに自動送付する仕組みによって、事務作業を約30%削減。1カ月分の記録から月次報告書の文案を作成する機能では、作業時間を約35%減らした。

一方、水海道さくら病院では、DX導入後に挙がった現場の課題・要望494件のうち78.9%を解決できたという。3者は「地味で地道、かつ確実なDX」を掲げ、全国の病院に展開するとしている。