ロジロジ、AIが会話データと処方内容から薬歴原案生成する技術が特許取得
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薬局向けAI(人口知能)エージェント開発のロジロジ(茨城・つくば市)は12月16日、AI(人工知能)が薬歴原案生成する技術が特許を取得したと発表した。
特許を取得したのは、生成AIが薬歴の作成時に、薬剤師と患者の会話データと処方データを構造的に組み込むための基本技術。単一の処方だけでなく「新医薬品データ(今回の処方)」と「旧医薬品データ(過去の処方)」を時系列でAIに対比・解析させる独自技術で、処方変更の経緯を踏まえた文脈理解を実現した。

例えば「ベニジピンからベラパミルへの変更」といった「前回から薬がどう変わったか(追加・削除・変更)」という時系列の変化をAIに与えると、具体的な変遷をAIが理解。服薬指導での変更理由や副作用の確認の背景を踏まえた上で、間違いのない薬歴の生成の支援する。薬歴は、SOAP形式(主観的情報、客観的情報、評価、計画)など、医療現場で規定された形式で自動生成し、専門性の高い高品質なの文書を出力する。
音声認識だけでは誤変換されやすい医薬品名に対し、連携する正確な処方データを参照させる独自の「精度向上プロンプト」技術を実装しており、AIが音声データと処方データを比較することで医薬品名などの誤りを自動的に補正し、正確な記録の作成を可能にした。
ロジロジでは、特許技術を活用し、薬局の服薬指導データに、日本薬剤師会の薬局向け調剤システム連携の共通仕様「NSIPSR(エヌシップス)」から取得した処方データを加えることで、オープンAIの「Chat(チャット)GPT」や、グーグルの「Gemini(ジェミニ)」などの大規模言語モデル(LLM)で、医薬品名などを高精度に認識し薬歴の原案生成するといった応用も見込んでいる。
また、薬歴原案生成の精度向上技術や、医薬品・薬局業務の知識活用技術など特許出願中の技術と複合的に組み合わせることで、薬剤師の思考プロセスに寄り添い支援する独自サービスの開発につなげる考え。