corte、保険薬局チェーンの薬樹がAI薬歴作成支援サービスを首都圏の140店に導入

薬歴作成補助サービスのcorte(コルテ、東京・台東区)は6月2日、調剤薬局向けシステム開発のソラミチシステム(東京・新宿区)と共同開発した、AI(人工知能)薬歴作成支援サービス「corte(コルテ)」を、首都圏を中心に展開する保険薬局チェーンの薬樹(神奈川・大和市)が首都圏の約140店舗の調剤薬局に導入を開始したと発表した。

「corte」の画面
「corte」の画面

「corte」は、薬剤師と患者の会話を音声認識し、SOAP形式で薬剤服用歴(薬歴)を自動作成するAI薬歴作成支援サービス。サービスを利用することで、薬歴作成の時間を大幅に削減し、薬剤師が本来注力すべき患者との対話や服薬指導により多くの時間を確保できるようになるという。

薬樹では、服薬指導後に行う薬歴の作成に1件あたり数分から10分以上がかかることがある一方、限られた人員と時間の中で、患者一人一人に丁寧に向き合いながら、正確でタイムリーな薬歴の記録が求められていた。同社では、こうした背景から、服薬指導や患者との対話といった薬剤師の時間をより価値の高い業務に充てるため、「corte(コルテ)」の導入を決めた。

導入後には、AIがSOAP形式で薬歴を自動生成するため、記録時間の短縮が図られ、服薬指導に集中できる環境の整備につながったほか、記録作業の負担軽減による人件費の最適化、デジタル化での運用コスト削減、薬歴の統一化によって記録の質を均一化、重要情報の抜け漏れ防止、記録業務の負担軽減による離職防止、新人教育の効率化といった効果があったという。

薬樹の青山恭宏社長は、サービス導入について「当社では、薬剤師が対人業務により集中できる体制作りを喫緊の課題の1つと考え、さまざまなシステム投資の検討を進めてきた。今般導入した『corte』は、われわれの期待通りに、薬剤師の薬歴作成にかかる時間の大幅削減を実現し、その結果、薬剤師が患者と向き合う時間をより多く作ることができた」と話している。