亀田総合病院、ユビーの患者情報統合基盤と医療者向けAI秘書サービスの運用開始
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Ubie(ユビー、東京・中央区)は9月16日、亀田総合病院(千葉・鴨川市)が、病院向け生成AI(人工知能)サービス「ユビー生成AI」の新機能の患者情報統合プラットホーム「患者ナビ」と「AIパートナー機能」を導入し運用を開始したと発表した。
「患者ナビ」は、ユビー生成AIの新機能で医療従事者向けの患者情報統合プラットホーム。これまで電子カルテや部門システムに散在していた患者情報を一元的に集約し、医療従事者が患者の全体像を瞬時に把握できる。患者サマリ、実行履歴を提供する。
患者サマリは、症状、治療歴、検査結果などを時系列で整理し、患者の治療状況を経時的に可視化が可能。実行履歴は、過去の生成AI(人工知能)などの実行履歴を患者単位で管理できる。事前に設定した特定条件に応じて、生成AIが自動で処理を実行し、文書作成業務の負担を軽減する。

AIパートナー機能は、「患者ナビ」に搭載した医療従事者のデジタル秘書として機能する生成AIサービス。サービスでは、患者のコンテキストを学習させたAIを常駐させることで自然言語の対話で情報検索やワークフロー実行する。
音声入力にも対応しており、テキスト入力なしでの操作が可能。AIが指示内容を理解して、適切な情報を構造化して提示する。医師は限られた診察時間の中で患者情報の理解度を深め、高度な診断や治療判断に集中できる。
亀田総合病院では、「外来診療での情報整理」「入院患者の状態把握」「多職種間の情報共有」でサービスを活用する。
「外来診療の情報整理」では、音声指示で複雑な病歴を持つ患者の症状経過や治療履歴を瞬時に構造化して提示できるようにする。「入院患者の状態把握」では、会話形式で多職種からの情報を統合し、患者の全体像を迅速な把握に役立てる。「多職種間の情報共有」は、会話形式での指示で他科との連携時に必要な患者情報を適切な形で整理と提供を可能にする。
同院ではサービスの導入で医療従事者の認知負荷軽減と中長期的には患者アウトカムの向上を見込む。AIが定型的な情報処理を担わせ、医師が患者とのコミュニケーション、複雑な診断、個別化医療の提供に集中できる環境を整える。また、散在する患者情報を統合し、有害事象の早期検知や見落としリスクの低減、診断精度の向上につなげる。
今後は、導入の効果を検証した上で、対象診療科の拡大や、医師以外の医療従事者への活用を進める。導入済みのユビーのサービスと連携も強化する。将来的には医療従事者が優先的に閲覧したい情報をパーソナライズして表示することで、精密で個別化された医療の提供も目指す。