SAS、医療業界・医療保険機関向けソリューションとAIモデル発表

データやAI(人工知能)活用ソリューションの米SAS Institute(SAS)は7月8日、医療業界や医療保険機関向けソリューション「SAS Health Cost of Care Analytics」を発表した。

「SAS Health Cost of Care Analytics」は、医療保険機関や医療提供者を対象に、治療の質やコストに関する効果的な意志決定をサポートするソリューション。

医療保険請求データを活用し、受診から治療、医療マネジメントに至るまで一連の医療行為に沿ってコードやパターンをつなぎ合わせ、医療機関が保険請求データをエピソードとしてまとめ分析する。コスト効率の高い治療計画の構築、不必要な入院の削減、入院期間の短縮などで役立つという。

また、独自機能で保険請求データを「医療エピソード」として柔軟に定義・分析し、患者の全体像や関連する治療の把握が可能。医療サービスとコストを「付加価値があるもの」「回避可能なもの」に分類、予測コストやリスク調整済みコストを自動的に計算するため、治療の質や効率性、支払い基準で活用できる。

医療エピソードで医療提供者のコストと質を比較し、適切な報酬設定に役立てることも可能。データ検証、「SAS Health」の共通データモデルへのデータ取り込みの簡素化をサポートし、データを保管・管理できる。

SASでは、3つのAIモデルも新たに提供を開始する。1つ目は「SAS Medication Adherence Risk」で、服薬順守に関して適切な介入が必要とされる場所を特定する。2つ目は「SAS Document Analysis」で、スキャンされた医療記録などの画像データから必要な情報を自動で抽出し、整理することで、医療従事者が記録を効率的に確認・評価できるようサポートする。

3つ目の「SAS Payment Integrity for Health Care Detect and Prevent」は、医療費の請求ミスや保険請求の不一致への対応、不正請求の検出の未然防止を目的とした機能を提供する。AIモデルは、拡張性と信頼性の高いAIを実際の事例で数十年にわたり応用してきた専門的ノウハウに基づいて構築されており、課題に対して高い精度で効率的に対応できるよう設計されているとしている。