クロスキャット、愛仁会のBIシステムをオラクルのクラウドやデータ活用基盤などで刷新

クロスキャット(東京・港区)は9月19日、大阪、兵庫を拠点に急性期病院、リハビリテーション病院、診療所などを運営する愛仁会(大阪・高槻市)が、サーバー老朽化対応の環境更新で米オラクルのクラウドサービスやデータ活用基盤の導入パートナーとして採用されたと発表した。

同社では愛仁会の旧BI(ビジネスインテリジェンス)システムを、オラクルのクラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」と、データ活用基盤「Oracle Autonomous Data Warehouse」、分析ツール「Oracle Analytics Cloud」に刷新した。

愛仁会では、システム更新で、旧環境での課題だったレスポンスや動作の安定性向上、処理時間の短縮とともに、データ利活用を推進するために、診療系ネットワークからのアクセス環境や全職員が利用できる環境の拡充が課題となっていた。そこで、オンプレミス環境と、コスト比較やセキュリティー確保で検討し、クラウド環境に移行を決めた。

今回の導入で、データ連係から加工・集計までの処理時間が大幅に短縮され、以前は昼過ぎにならないと確認できなかった日次のレポートが朝一番に確認できるようになった。また、企画部門ではデータ確認から配信資料化に1日~1.5日かかっていた作業時間が10分程度に短縮した。さらに、これまでデータ量が多いものをExcel(エクセル)のファイル化をしようとするとタイムアウトが頻発していたがなくなった。

その結果、病院全体で処理速度が格段に上がり、業務効率も大幅に向上した。また、マイクロソフトのクラウドサービスのアカウント管理機能「Azure AD連携」で管理の効率化とシングルサインオンも実現し、職員への導入もスムーズに完了した。

愛仁会ではシステム刷新について「旧BIシステム構築・保守のベンダーはクラウドの実績がなく、対応困難だったので、オラクルを通じて医療系の実績があるクロスキャットに依頼した。今後はRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)との掛け合わせでさらなる業務効率化や、生成AI(人工知能)の活用にも取り組みたい」(情報システム担当者)としている。