テックドクター、ウエアラブル機器の生体データとLLM活用の医療支援システム開発
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デジタルバイオマーカー開発のテックドクター(東京・中央区)は5月27日、「AIと医療の関係研究所」の第一弾の取り組みで、矢野裕一朗・順天堂大学医学部総合診療科学講座教授/AIインキュベーションファームセンター長と実証事業を開始したと発表した。
実証事業では、ウエアラブル機器から得たデータを、統計的手法や機械学習、ディープラーニング(深層学習)などを使って解析。その結果をLLM(大規模言語モデル)と融合することで、個人に最適化されたフィードバック、異常検知、健康管理支援など、医療者や患者に理解しやすく有益な情報を、自然言語で提供する医療支援システムを開発する。
具体的には、テックドクターが持つ10名程度で最大2年間分のウエアラブル機器のデータを解析し、LLMで自然言語化した情報の評価と改善を行い、システムの開発と検証を行う。定量評価にはテックドクターの解析基盤「SelfBase(セルフベース)」を活用する。
テックドクターでは、近年、心拍数や歩数、睡眠などの日常の生体情報をウエアラブル機器で取得し、健康状態のモニタリングや疾患リスクの予兆検出に活用する動きが広がっていると分析。しかし、こうした解析結果を医師や患者が直感的に理解し、日々の判断に役立てるには、データを使える情報に変換する仕組みが必要という。
同社では使える情報の変換で、LLMが有効とみてシステム開発と実証を行うことにした。将来的には、医師の診療支援や患者自身がセルフケアに応用することを見据えており、システムの実装と改良を進めていくとしている。