杏林大杉並病院、スマートウオッチの健康データを診療や健康管理に活用する外来を開設
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杏林大学医学部付属杉並病院(東京・杉並区)
杏林大学を運営する杏林学園(東京・三鷹市)は7月1日、杏林大学医学部付属杉並病院(杏林大杉並病院、東京・杉並区)が、スマートウオッチなどから得た健康データを診療や健康管理に活用する外来診療「スマートウオッチ外来」を7月2日から開設すると発表した。

「スマートウオッチ外来」は、米アップルの「アップルウォッチ」などのスマートウオッチやスマートフォンが自動で記録する歩数、歩行距離、心拍数、消費カロリーなどの日常的な活動量や、血圧計、体重計、持続血糖測定器(CGM)などとBluetoothで接続することで取得と蓄積ができる血圧、体重、体脂肪率、血糖値などのPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)のデータを利用。セキュリティーを確保したクラウドにデータを保存し、電子カルテから直接確認できるようして診療や健康管理を行う。
杏林学園によると、これまでも患者がスマートフォンの画面を診察時に提示したり、紙に印刷して持参したりするなどの方法でデータを活用する診療は行われてきたが、医師などが日々のデータを把握した診察などを行うことは難しかったという。今回、スマートウオッチとクラウド、電子カルテを連携することで、患者が、かかりつけ医と健康情報の継続的な共有が可能となり、よりきめ細かな診療や、地域医療機関との連携がスムーズに行えるようにした。
杏林大杉並病院では「スマートフォンやスマートウオッチは、いまや現代人の生活に欠かせないツールで、それらを自身の健康づくりや生活習慣の改善に生かすことで、デジタル時代にふさわしい医療の形を、みなさんとともに実現していきたいと考えている。取り組みは、まだ始まったばかりで、試行錯誤もあるかもしれないが、未来の医療をともに作っていく喜びや楽しさを、患者と医療従事者が共有できる外来にしたい」(矢田浩崇・杏林大学医学部付属杉並病院循環器内科診療科長・教授)としている。