TIS、PHR「ヘルスケアパスポート」にマイナカード活用した本人確認機能を追加

TISは2月12日、地域医療情報連携サービス「ヘルスケアパスポート」に、マイナンバーカードを活用した本人確認機能を2月5日から追加し、提供を開始したと発表した。

「ヘルスケアパスポート」は、ユーザーの健康や医療情報を医療従事者、家族と共有できるPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)。家庭で測定した血圧などのバイタル情報や自覚症状などの記録が可能ほか、「ヘルスケアパスポート」を導入する医療施設での検査結果や処方情報などをスマートフォンで確認できる。サービスでは、ユーザーが情報共有の意思表示(オプトイン)をした上で、健康や医療情報を家族や医療施設と安全に共有できる仕組みも提供する。

マイナンバーカードを活用した本人確認機能のイメージ
マイナンバーカードを活用した本人確認機能のイメージ

今回のマイナンバーカードを活用した本人確認機能の追加では、自社の「マイナンバーカード本人確認サービス」を活用。マイナンバーカードの有効性を即時に確認できるほか、マイナンバーカードから取得できる氏名、住所、生年月日、性別の基本4情報をアカウント作成時のプロフィル入力やプロフィル編集で利用できる。

これまで、「ヘルスケアパスポート」では、導入施設に自身の健康や医療情報を開示したり、医療施設から自身の医療情報の連携を受けたりする場合に、対面で本人確認が必要だった。今回の機能追加で、ユーザーはスマホ上でマイナンバーカードを利用すれば、非対面で本人確認が可能になることから、ユーザーと導入施設ともに利便性が向上するとしている。

また、遠隔診療やオンライン診療での「ヘルスケアパスポート」の活用や、自治体がユーザーの本人性を担保した上で健康状況を把握したり、個人宛てに検診の受診勧奨などの知らせを配信したりといった、PHRを活用した地域住民の健康増進の取り組みにつながると見込んでいる。

今後は、機能を活用して地域への「ヘルスケアパスポート」の導入を推進すると同時に、PHR活用や健康状態に応じたインセンティブ付与が可能な外部サービスと連携などを行い、ユーザーの利便性をより高める方針。

TISは中期経営計画の中で、「健康問題」「金融包摂」「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」の社会課題の解決を掲げる。このうち「健康問題」に対しては、地域医療に「ヘルスケアパスポート」をPHRの流通インフラとして提供しアプローチする考え。