OpenAI、「ChatGPT ヘルスケア」を提供開始 医療記録やアプリ連携で健康管理を支援

「ChatGPT ヘルスケア」の画面

米オープンAIは1月7日(米国時間)、Chat(チャット)GPTのヘルスケア新機能「ChatGPT ヘルスケア」を発表した。ChatGPT内に新設される専用タブから医療記録や健康管理アプリに接続し、健康情報を理解してユーザーの健康管理を支援する。

「ChatGPT ヘルスケア」は、EHR(電子健康記録)や、米アップルの「ヘルスケア」アプリ、「Function(ファンクション)」、「MyFitnessPal(マイフィットネスパル)」といった健康管理アプリなどと接続することで、検査結果の理解、医師との診察準備、食事や運動のアドバイス、医療の利用傾向に基づいた保険プランの選択肢の比較などを、ChatGPTがサポートする。

機能は、世界60カ国で数十の専門分野で診療経験を持つ260人以上の医師が協力し開発した。医師が、30の重点領域で、モデルの出力に対して60万回以上のフィードバックを行い、健康に関する質問への回答が有益となる要素や有害となり得る要因をAI(人工知能)に理解させた。

医師の意見は、AIの応答にも反映した。例えば、医療機関への受診をどの程度の緊急性で勧めるかや、過度に単純化せずに分かりやすく伝える方法などで活用した。一連の作業は現役医師の知見を取り入れて構築した医療AI評価基準「HealthBench(ヘルスベンチ)」を使用し、臨床基準に照らして評価した。

ChatGPTに追加される「ChatGPT ヘルスケア」のタブ
ChatGPTに追加される「ChatGPT ヘルスケア」のタブ

個人情報の取り扱いは、健康データとチャット情報を分離して保存し、専用のメモリで管理することでプライバシーを保護する。機能はChatGPT内の専用スペースで提供し、健康情報は専用スペース内だけで利用することで、ほかのチャットやメモリへの流出を防止する。健康情報自体も専用設計の暗号化や隔離処理などで保護する。

「ChatGPT ヘルスケア」での会話はオープンAIの基盤モデルの学習に使用しない。ユーザーはサードパーティーで収集される可能性のあるデータの種類を事前に確認が可能で、接続先アプリとのアクセスをいつでも解除できる。

オープンAIによると、ChatGPTに健康関連の相談をするユーザーは、世界で毎週2億3000万人以上となっており、こうした利用に対し、ユーザーの健康情報や文脈から、より適切な回答を提供するために新機能を提供したという。また、診断や治療を目的とするものではなく、医療従事者の診察を補完する機能と説明している。

同社では、一部のユーザーを対象に体験版で提供を開始する。利用希望者は順番待ちリストから申し込める。今後は利用状況を踏まえながら改善を進め、ウェブ版とアップルの「iOS」のユーザーに提供範囲を拡大する。