NTTドコモビジネス、IOWNと触覚技術で遠隔でもリアルな指導を受けられるリハビリ支援システム

NTTドコモビジネスが開発した「FURELIA(フレリア)」を活用した遠隔リハビリ・トレーニング支援システム

NTTドコモビジネス(旧NTTコミュニケーションズ)は10月8日、ネットワーク全区間で光波長を専有する通信サービス「IOWN APN(アイオン・オール・フォトニクス・ネットワーク)」と、感触実現技術「3DHaptics(ハプティクス)」、振動を伝える「バイブロスケープ」を活用したシステム「FURELIA(フレリア)」を利用した遠隔リハビリ・トレーニング支援システムを開発したと発表した。映像・音声・動き・触覚を同時にリアルタイムに伝送が可能で、トレーナーが隣で体を支えて誘導しているかのようにリハビリや運動ができる。

「IOWN APN」を使った音声・映像・錯触力覚・振動触覚の伝送の仕組み
「IOWN APN」を使った音声・映像・錯触力覚・振動触覚の伝送の仕組み

システムは、音声と映像を送るカメラ、スピーカー、マイクを備えるディスプレー「OPEN HUB Window(オープン・ハブ・ウィンドウ)」、振動触覚を伝える「バイブロスケープ」、村田製作所子会社のミライセンスが開発した力覚・圧覚・触覚で錯触力覚を再現する3DHaptics機器の「echorb(エコーブ)」で構成。

ミライセンスの3DHaptics機器「echorb(エコーブ)」
ミライセンスの3DHaptics機器「echorb(エコーブ)」

トレーナーと体験者のいる場所を「IOWN APN」で接続。トレーナーと体験者は「echorb」を両手に持ち、トレーナーが機器を通じて両手の動きを誘導することで、リハビリやトレーニングを支援する。「バイブロスケープ」も使用することで足踏み運動もサポートする。高精細な映像、音声、錯触力覚、振動触覚を同時に転送できるため、あたかもトレーナーと同じ空間でサポートを受けているかのようなリアルな指導を体験できる。

システム構成と実証実験を実現した技術
システム構成と実証実験を実現した技術

NTTドコモビジネスが行った実証実験では10km離れた場所を「IOWN APN」で接続し、非圧縮の動画、音声と複数の触覚データ、錯触力覚、振動触覚を遅延なく送信することで、遠隔からリハビリやトレーニングのサポートができることを確かめた。

過疎地の遠隔リハビリ支援での利用など想定。荘司哲史・イノベーションセンターIOWN推進室担当課長・エバンジェリストは「大学病院や急性期病院のリハビリセンターでの活用も考えられる」と話す。医療以外にも、小売り分野で、外出が難しい人を係員が誘導し、遠隔でも店舗にいるかのような感覚でショッピングを楽しめる活用も見込む。今後は医療機関やリハビリ施設などのパートナーを募り、有用性を確かめ、2028年の実用化を目指す。